人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

レイ・パーカー・Jr

昨日日記の手を抜いたので、今日は昨日のことを書こうと思う。

「ラーメン二郎」はご存知だろうか?

ラオタの関門とも言える超有名店だが、その内容のインパクトに客を選ぶラーメンである。

デカ盛り、ニンニク、脂、極太麺とごっついチャーシューが挑発する。

私はそれを食べる時、「もはやこれはスポーツの領域だ」と思うのだ。

そのラーメン二郎の本店、三田本店に行ったのだ。

ジロリアンと呼ばれるラーメン二郎愛好家から「聖域」「総本山」などと崇められている三田本店だ。

充分に腹を空かせ、どんな行列にも耐える覚悟で出向いたのだが、行ってみたら行列最後尾の客に「もうここで終わりだそうです」と言われてしまった。

午後3時に空腹で見知らぬ土地に佇むラオタ夫婦。

しくった、こういう時に限って補欠を考えていないのだ。

とりあえず歩くが、キングオブラーメンの穴を埋めるような食べ物など、そう簡単に見つかりはしない。

なまじっか二郎を食べる準備をしたために、空腹なのにどれを見ても食欲が沸いてこない。

なんたる誤算。

たまたまおいしいつけ麺の店があったからまだ良かったが、それだって本来はもっとおいしいと思って食べることができたのかもしれない。

三田からは、日の出桟橋まで歩き、水上バスでお台場に行った。

初めて水上バスになぞ乗ったが、これがすごく可愛い船で、飲食もできるし晴れてればデッキにも出れるし、夜景も綺麗で感動した。

480円でいい気持ちになった。

詳しくはウォーキングのカテでいつか。

台場には特に予定もなかったので、ショッピングをする事にしたが、本当に不思議である。

なぜダンナはショッピングを始めると、途端にグッタリしてしまうのだろう?

そしてなぜ私はショッピングを始めると活きが良くなってしまうのだろう?

こうしてどんどんふたりのスタミナに差がついていくのだが、グッタリしながら「大丈夫」と言う人間を同行してのショッピングなど、楽しめる訳がない。

まぁそもそも予定にはなかったのだ。

欲張らずに帰ることにする。

帰りの電車の中で、私は気になっていたことを恐る恐るダンナに聞いてみた。

「私のこの格好、ダサい?」

「え?」

台場で洋服屋を見ながらふと気付いたのだが、もうちょっとおしゃれをして来るべきだったか、ん?そういえばこんな格好している人なんかどこにもいないじゃないか?

昨日私が着ていた服は、ジーパンにフードのついたトレーナーだ。

見渡してみると、トレーナーを着ている人など皆無である。

ダンナが何と答えたかは忘れたが、とにかく、「ダサい」という言葉を避けて「ダサい」というような意味の事を言ったはずである。

「いつからそう思ってたの!?」と聞くと「ん~~、何年ぐらい前からかな・・・」と言ったのでぶったまげた。

「ちょっと!!何年も自分のカミさんにダサい格好させてたの!?何の仕返しよ!?」

「え、やぁ別にそんな、ただ、ホントにぽ子はパーカー好きだなぁって思ってただけで・・・。」

いつから世の中の人間は、トレーナーを着なくなっていたのか?

いつから回りの人間とこんなギャップができていたのか?

そりゃ、歯医者に行ったり飲み会に行ったりする時にはスカートやブーツを履いたりもするが、決してトレーナーを裏切った訳ではない。

彼らの地位は変わってはいないのだ。

しかし、世の中では変わっていた。

ダンナまでも変わっていたのだ。

ショック。

「・・・トレーナーは全部、パジャマに格下げします。」

「えっ!?全部!?あんなに持ってるのに!?」

量じゃなくて、格下げするところに驚いて欲しかったのだが、逆にそんなにトレーナー持ちだと思われていたのかと知り、こっちが驚いた。

そして、「スカートを穿いておしゃれをしたぽ子と、ジーパンにトレーナーを着たぽ子とどっちがいいか」とか「会社の人に見られて恥ずかしいのはどっちの方か」などの質問をジャンジャン浴びせ、その答えから「服を買え」の方向に持っていった。

しかし、服を選ぶ能力が自分にあるのか、不安である。

台場の洋服屋では、変な服ばっかり売ってるなぁと思っていたのだ。

ところで、台場から家に帰るまでの間に見たトレーナー姿の女性は、たったのひとりだった。

「あ!!ぽ子、ここにもいたぞ!!」とダンナが吠えたのは、今日の事だ。

そこにはグレーのパーカーを来た娘ぶー子が立っていた。