会社の仲間が「良かった」と言っていたので早速借りてみた。
好き嫌いの分かれる作品だろうということだったが、私はどっちだろうか。
監督:スタンリー・キューブリック
キャスト:マルコム・マクダウェル、パトリック・マギー
近未来の退廃したロンドン。
15歳のアレックスはミルクバーで「ミルク・プラス」を飲っては町に繰り出して暴力の限りを尽くしていた。
警察も彼には手を焼いていたが、ある日ついに彼は人を殺してしまい、懲役14年の刑を受けて刑務所暮らしとなった。
当然こんなところはサッサと出てしまいたいアレックスは、模範囚となりチャンスをうかがっていたが、そんな時に、暴力的な行動を洗脳で封じ込める「ルドヴィコ療法」を囚人に試している話を知る。
これを受ければ2週間で刑務所を出れると知った彼は、何とかしてその被験者になれるように考える・・・。
1971年の作品と知って驚いた。
当時はかなりセンセーショナルであったことだろう。
映像と音楽の芸術性の高さ、それだけでも素晴らしいものがあるが、過激な内容ながらもストーリー性のある作品は不思議な魅力がある。
前半のエグい暴力シーンの連続に、昔観たドイツ映画「ファニーゲーム」のイギリス版かと思ったが、ちゃんと展開があり安心した(笑)
クラシックが多用されているが、暴力との意外なマッチングが気持ちいい。
R指定のついた暴力的ゲーム「グランドセフトオート」でBGMにオペラを選ぶと気持ちいいと言う話を聞いた事があるが、あながち嘘でもなさそうである。
しかし約40年後にこの「近未来」を見ると、未来どころか古くて笑ってしまう。
それでも70年代のテイストは今や一周してかっこよく見える時代になっているので、不快感はない。
ぶー子が「プロモみたい」と言ったのはいい表現だと思う。
不思議なこの世界にいちいち揚げ足をとらずに観れる人だけが楽しめる作品だろう。
そう言う意味ではやはり人を選ぶ映画かもしれない。
私は気に入った。
最後の「治った」のダブルミーニングと、アレックスの頭の中のパラノイヤ的妄想がイカしている。
ぽ子のオススメ度 ★★★★☆
ダンナのオススメ度 ★★★☆☆ エグいけどアーティスティック
ぶー子のオススメ度 ★★★★☆ ホラーショウが刺激的