で、やはり酔ってフラフラと出掛けて行くのだ、あの世界へ。
まずベンチに座って待ってみるが、やはり誰も声など掛けにこない。
なので今度も私が先攻だ。
私が座ったずっと向こうに男性が座っていたので、私は何度かに分けて距離をつめていった。
ついに隣に座ったその時、逆隣に黒人男が座って声を掛けてきた。
とたんに先の男性は逃げるように去っていく。
・・・良かったですね、救われて(泣)
「ホントに女?」
ズケズケと聞いてくるので「ヤッてみる?」と言ってやったら「おう、いつでも準備はいいぜ。」と言われたのでたまげてしまった。
ヤバい、向こうのペースにはまってはいけない。
「金、持ってんの?」
「ああ。ピザ30枚は食えるぜ。」
なかなかアメリカンな語り口にちょっと感心。
しかしちょっと会話を楽しむと「じゃあ俺はもっとかわいい子、ナンパしてくるから。じゃあな、地獄で会おう。」と言い捨てて、サッサといなくなってしまった。
地獄で・・・。
惨めである。
さらにその様子を近くで見ていた男に「逃げられた!!」と笑われた。
いつもの事でさほどダメージはない、と言うとさらに笑う。
そこへ今度は女の子が「踊ろうよ!」と声を掛けてきた。
おお、やはり優しいのは女の子である。
しかし私が踊り出したら、あっと言う間に彼女は消えた。
「また逃げられた!!」男は嬉しそうにますます笑う。
ところが彼女は戻ってきて「こっちにおいでよ。」と誘ってくれた。
ほらみろ、優しいのは女の子なのだ。
踊りながら喋っていたら、いつの間に人数が増えていた。
自慢じゃないがこのヴィジュアルなのだ、注目される自信はある。
会話も広がり打ち解けてくるとやはり男どもが「なんでそんなブスに・・・。」などと言い始める。
「そんなことないよ、可愛いよ!!」
(泣)
確信した。
この世界で優しいのは、女の子だけだ。
「じゃあどっちが私と付き合ってくれるの?」
その時隣にいた二人の男に言うと、「俺はいいよ」「あなたどうぞ」と美しく譲り合っている。
しかも突然ふたりともいなくなった。
仕方なく残ったメンバーで踊っていたが、しばらくするとそいつらがちょっと離れたところにいるのが見えた。
セリフも見える。
何と「誰かあいつと付き合ってやれよ・・・。」と話し合い、押し付けあっていた。
南海キャンディーズのしずちゃんじゃねぇ?などと言い、それすら褒められたように聞こえる落ちぶれっぷりのぽ子である。
結局彼らは戻って来た。
なので私はそのうちの一人に「じゃああんた、私のカレシね。」と宣告した。
「ええっ!?ちょっと待って!!」とたじろぐ一人と「良かったねぇ、お似合いだよ!!」と安心して盛り上げる一人。
なんだかんだ言って楽しかったので、フレンド登録をして別れたのだが。
今日見てみると暫定カレシからメッセージが届いていた。
「ホントにおんな?」
うん。
「ホントにデブ?」
デブ?う~ん?
「何キロからデブ?」
ここで仕事に行く時間になったので、返事は帰宅後である。
彼の返事を見て私は、リアルでもデブに決定した事を知った。
ところでメッセージだが、相変らず例の外人からの罵倒メッセが来ている。
あんたのこいしから来る、ベーコンがとてもうまかった!
このくそぶため~!
朝なっとはどうか?こーこばしたか、こりゃ~?!?
いじわる日本のめし!いじわることおたべあげっているぶた、あんた~!
べ~8p べ~8p
この調子である(笑)
ちなみにベーコンだとか朝ご飯だとかは、私が「朝のベーコンエッグは食ったか?このFuckin' Irish Croissant!」と送ったからだろう。
彼女の父親はアイルランド人で母親はフランス人との事だが、なぜか食い物ネタでバカにすると効果があるのだ(笑)
まぁこんな感じだから、楽しんでいる。
酔うたびに敵と友達が増えているぽ子である。