「英語入力ってどうやったらできるの?」
やはりプレイステーション・ホームにハマっている娘ぶー子が、ダンナに聞いていた。
我が家には「ビーマニ・打打打」に同梱だったキーボードがあったのでそれを使っているが、英語入力が必要な日など来るのだろうか。
「昨日外国人に英語で話しかけられて・・・。」とぶー子は言っていたが、外国人など見た事がない。
そんな私が昨日、というか今朝になるのか、4時半までその架空世界で外人とケンカをしていた。
ところで私は外国人を「ガイジン」などという失礼な呼び方は普段しない。
しかし今回はあえて「外人」と言わせてもらおう。
さて私はあのデブでブッサイクなアバターで通すと前回宣言したのだが、やはり今回も多くの男が逃げた。
ぶー子はベンチに座っているだけで男が寄ってくるのに、私の場合こっちから寄って行っても逃げられるのだ。
デブでブスであるということがそんな嫌なのか?
しかしそんな見た目に騙されず私に近づく心の綺麗な者だけが、私と友達になれるのだ。
フッフッフ・・・、しかしそんな奇特な人間はまだいない。
先週予感したように、やはり私は酔っ払ってまたあの世界に行ってしまった。
ぶー子のようにベンチに座って声をかけてもらうのを待ったが、全く誰も近づいてこなかった。
なのでこっちから攻める事にした。
後をついていく。
隣にくっつく。
それでもせいぜい「こんばんは」と言われるぐらいで、そういう人もいつの間にかいなくなってしまう。
ぽ子は悲しい。
たったひとり座って話をしてくれた男性がいたが、超初心者でおっそろしく入力が遅い。
しかしこんなデブでブスと話をしてくれた初めての男だ。
私は辛抱強く付き合った。
付き合った結果分かったのは「実は僕、オヤジなんです。」という事だった。
ハイ、オヤジはいいですよ、こっちもオバハンですから。
でもやはりオヤジぐらいしか喋ってもらえない現実を知ったのはつらい。
この人とフレンド登録をしたら、今度はベンチに座ってみた。
すでに何人か座っている人の間の空席だ。
ボケッと座っていたら、隣に座っていた女が英語で発言していた。
その中に
FAT(デブ)、
UGLY(醜い)、
という文字を見つけてしまった。
こいつ、英語が分からないと思って、クソミソに私の事をけなしているのだ。
野郎、この毛唐、私も言い返してやろうと思ったのだが、ああっ!!英語入力がわからない!!
パソコンとキーボードが微妙に違うのだ。
くそ~~、聞いておけばよかった。
しかし黙っちゃいるか。私は相当に酔っていたのだ。
日本語でガンガン言い返したが、彼女、日本語もわかるのかそれに対してまた英語で言い返してくる。
見物人や仲裁が入る。
知るか、こっちゃ酔って気持ちいい位に毒を吐いているのだ。
しかしそのうち何だか面白くなってきた。
向こうは時々日本語で罵倒してくるのだが、その日本語はYahoo!の翻訳的なムチャクチャな日本語だ。
もうそれもおかしくて、結局何時間言い合っていただろうか。
彼女は私をベーコンと言い、私はフランス人の母親を持つ彼女をフレンチトースト野郎と罵倒する。
面白くなってきたのでフレンド登録を依頼したが、「なんでアンタなんかと友達に・・・」と言いつつも、見るとちゃんと登録されていた。
あまりに眠くなったので4時半に落ちたが、彼女へのメッセージの方にまたボロクソ入れておいた。
夕方にチェックすると彼女から返事が届いていて、「私よりトシとってるくせに太ってる日本人、デブ、ぶっころす」のような事が変な日本語で入っていた。
彼女とまた会うことはあるだろうか?
それにしても何でデブでブスなだけであそこまで言われるんだろう?
ヤツ、実はリアルではデブでブスなんじゃないか?
どうでもいいが。
私はデブにもブスにも優しくするから(笑)