人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

SAW2を観る

「今夜『SAW2』を観る」それが昨日のノルマであった。

たくさん映画を観たい、と我が家では常々話していたが、映画館は高い、DVDのレンタルショップは遠い、と悪条件が重なり、なかなか観るチャンスがなかった。

そこでぽ子は思い切ってみた。

「宅配DVDレンタル」。

割高だが、これならネットで注文して待つだけ、返すのは近くのポストにポンでいい。

観たい観たいと口で言ってるだけじゃ、DVDはここには来ないのだ。

私はDISCASと契約して、ここに呼ぶ。

しかし、1ヶ月に8枚だ。

平日に時間がないとなると、ちょっとキツい枚数である。

最初の1ヶ月はお試し期間で無料なのだ。

この間にどんなもんか、試してみよう。

早速我が家に届いたのは、アニメの「パプリカ」と、サスペンス・スリラー映画の「SAW2」である。

「パプリカ」は金曜日に観たが、週に2枚観ないと後がキツくなるのだ。・・・って何だかノルマみたいだが、どケチぽ子が月7枚以下で終わらせるなど、プライドが許さない。

週に2度のDVDッ!!月に8回のDVD!!

なもんで、ダンナもぶー子も休みだった昨日のうちに「SAW2」を観てしまおうという事になったのだった。

「晩ご飯は俺が作る。だから(恐らく『頼むから』)その間にブログを終わらせて。」

私が仕事に行っている間に、潮干狩りでアホほど捕ったあさりを調理しておいてくれると。

そいつは有難い。

というか、いかに私のブログ更新作業が家族の足を引っ張っているかである。

いつも一家団欒の時間に私のブログ作業が重なるので、どうやらヒンシュクを買っているようだ。

ハイハイわかりました、できるだけとっとと終わらせます。

仕事から帰るとダンナがキッチンに立っていた。

「では私はどうしましょうか??」と聞くとダンナは首をかしげている。

「手伝う?それとも風呂入った方がいい?ブログが先??」

ダンナに指示を仰いでいるのだ。

いかに効率良くDVDまでたどり着くか、そして、責任は指示を出す方にあるのだ。

「う~ん、じゃあブログ!!」

これにより、何よりもブログ更新が一番お荷物だと再確認。

その忌々しいのをとっとと片付けちまいな!!である。

へいへいすみませんね、いつも私のブログがね、とパソコンを立ち上げていると、

「そういえばお義母さん、電話出なかったんだよね~。」と、ダンナがあさりをガシャガシャ洗いながら言った。

今日中に実家にもあさりを届けたかったのだが。

しかしダメもとでもう一度実家に電話をしてみたら、母はいた。

実家は車でほんの5分ほどのところにある。

じゃあ、と言ってあさりを持って実家に向かう。

母の日にも会ってないし、4月の終わり以来である。

「今またケンカ中なのよ~~。」

玄関で母の愚痴が始まった。

わがままで殿様の父への不満は、口に出しても尽きることがなく、時間がどんどん過ぎて行く。

しかしここは私の数少ない親孝行の機会でもあるのだ。

うんうん、ひどいひどい、と相槌を打つ。

・・・エンドレスだ。

悪いが「また近いうちに食事でも」と、近くはない事を予感しながら、母と別れた。

家に戻ると、もう晩ご飯の準備はできていた。

ダンナは「晩ご飯の準備をしている間にブログを」と言っていたのだ。

「じゃあ、ダンナが風呂に入っている間にやっちゃうよ!!」私は慌てて言ったが、絶対に無理であることはわかっていた。

私のブログ更新作業は長いのだ。

案の定、終わらなかった。

しかし待たせる訳にはいかないので私も風呂に入り、晩ご飯を食べる事にした。

私はお行儀悪く、食いブロ、つまり食べながらブログ更新である。

「あれ?なんでこっち??」

食べに現れた娘ぶー子は、晩ご飯の皿がテレビの前に並んでいないのを見て言った。

「SAW、観ないの??」

「お母さんのブログがね・・・。」そこまでダンナが言っただけで「はあ!?」とぶー子、お怒りの様子。

すいませんすいません、できるだけご飯よりもブログの方で手を動かしますから。

「あとどれぐらいで終わりそう?」

ダンナが聞いてきたのは1時間も経った頃か。

どれぐらい?どれぐらいって、それが分かれば私もこんなに焦って入力してませんて。

そんなの言ったが最後、1分だって遅れられないじゃないか。

見ての通り、昨日の記事はクズ日記が2つ、ラーメンが一つだ。

しかし、2つの日記の下書きが終わったところですでに1時間半を過ぎていた。

もうラーメンは明日でいいよ、グスン。(ラーメンカテの日付は食べた日で入れてます。)

「見直ししたら終わります~~(汗)」

あぁなんでこんな締め切りに迫られてんの、たかがブログ。

「まだかッッ(怒)」誤字を直すキーボードの音が聞こえると、ぶー子が本気で怒り出した。

「すみません、今(泣)」惨めだ。

9時になり、やっと終わった。

スパゲッティボンゴレの皿を持って、テレビの前に移動。

・・・う。わかってはいたが、食欲が・・・。」

自分の目に埋め込まれた鍵を、自らナイフで切って取り出さないと、首に取り付けられたぶっとい剣山のような針のついたマスクが顔をはさむのだ。げえ~。

私達は潮干狩りで獲ったあさりを食しながら、そのスプラッターな映画を最後まで一気に観た。

ノルマ達成である。

何だかの。