人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

リビング占拠

やっと金曜日である。

今晩から日曜の夜まで、アレン・カー氏の洗脳からくる節制生活はぶー子にでもくれてやる。

今夜は飲むぞ。

晩ご飯はラーメンだ。

晩ご飯の支度しないでいいんだから、浮いた時間でゲームしよう。

いや~、金曜日。

いや~、フライデーナイト。

仕事が終るとアンガからもらったMP3プレーヤーを早速聴きながら帰る。

正確にいうと猫病院に寄ったが、そちらはまぁ大した事ではなかったので。

入っていた曲はテクノばかりであった。

無機質なサウンドの繰り返しである。

イヤホンの調子が悪く時々途切れるのだが、どこからが曲の効果でどこからがイヤホンのせいかがわからない。

効果音も多く、これも実際に鳴っている音なのか良くわからず、私は何度も振り向いた。

家に着くとすぐに玄関に娘ぶー子が飛び出してきた。

「今友達とDVD観てるんだけど・・・。」

そういえばメールがあったな。

仕事中は見れないから帰りに見たのだが、「DVDどうした?」とメールを返しても返事はなかった。

今見てるという事か。

・・・って事は私はリビングに入れないのか。

一瞬にして花のフライデーナイト計画が崩れていくのを感じた私は「はぁ!?今!!」と思いっきりドス効かせて返した。

「あとどんぐらいよ!!」

どれぐらいと言わないところに怒りを感じて欲しい。

「えっと、もうちょっと、あー、1時間、さっき観始めたばっかり・・って言うか、まだその、あの、何ならきりのいいところで止めるよ。」

「ドス・どんぐらい」効果あり。

でもじゃあ出てけとは言いづらい。

なんて事してくれたんだ、このぶー子ッ。

「もういいよッ。」でました、もういいよッ!!

我ながら大人気ないのだ。

さて、寝室に行ったはいいが、やることがない。

ここにあるのはテレビと本ぐらいだ。

本では寝てしまう。テレビをつける。

NHKが物価の上昇・下降についてやっていた。どうでもいいが、他はもっとどうでもいいものばかりだ。

なんで今これをここで私が(泣)

「・・・おかぁさん??」

ぶー子が部屋に来る。

「お父さんがもう会社出るって。」

あぁ、もう帰るのか。私のブログ更新とゲームはどうなるのだ。

「あとどんぐらいよッ。」我ながら恐ろしい女だ。他に言うことはないのか。

「えっと、あの、まだそうだね、1時間??まだもうちょっと、だからその、何だったらすぐ止めるけど。」無益な会話だ。さっきと同じである。

もう、こうして時間が無駄になっていくのが我慢ならないのだ。

そうだ。

「これ脱がして。」と寝たまま足を伸ばし、靴下を脱がさせる。

「風呂沸かして。」靴下の方はオマケである。

立場が悪いので何でも従うのだ。今、私はこの家の頂点に君臨している。

「沸いたらすぐに呼びに来て。」

風呂に入っておけばまだ後で楽だろう。何もしないよりはマシだ。

テレビはチャンネルが変わり、香田晋が御天のとんこつラーメンを食べていた。

このアホ臭い時間を何とかしないと。

「沸きました。」

再びぶー子が来た時には寝ていた。

手にはエルを抱いて来た。さすが、ツボを心得ている。

眠かったがエルで目を覚ます。

ところでこの頃、エルの事を「チンゲ」と呼んでいる。

エル→エルちん♪→エルちんげ♪・・・となったのだ。そりゃダンナが嫌がるからつい面白くてね(笑)

さて、風呂に行ってさらに私の怒りは加速した。

ギャルども大騒ぎである。

ホラー映画を見ていて、黄色い声で叫んだり悲鳴を上げたりだ。

その上ウーファーから鬼のような重低音だ。ボリューム、上げ過ぎである。

私は怒りを堪えてサービス精神を出し「ワッ!!」と言いながら部屋に入ったのだが、お陰で誰も気付かなかった。

ちくしょう・・・(泣)

風呂から出たらやっと映画が終るところであった。

風呂上りにつけたブラが私の胸よりサイズが全然でかく、そのせいで服を着たら胸がかなり大きくなっていた。

ふ、・・・。フフン・・・悪くないね・・・。

ここでやっと機嫌が直ったのであった。

お、9時だ。

もうダンナが帰って来るぞ。

私がメールで怒りまくっていたので、なぜかダンナもヘコヘコ謝っていた。

もう良いぞ。

ラーメン行こう!!