やっと金曜日である。
今晩から日曜の夜まで、アレン・カー氏の洗脳からくる節制生活はぶー子にでもくれてやる。
今夜は飲むぞ。
晩ご飯はラーメンだ。
晩ご飯の支度しないでいいんだから、浮いた時間でゲームしよう。
いや~、金曜日。
いや~、フライデーナイト。
仕事が終るとアンガからもらったMP3プレーヤーを早速聴きながら帰る。
正確にいうと猫病院に寄ったが、そちらはまぁ大した事ではなかったので。
入っていた曲はテクノばかりであった。
無機質なサウンドの繰り返しである。
イヤホンの調子が悪く時々途切れるのだが、どこからが曲の効果でどこからがイヤホンのせいかがわからない。
効果音も多く、これも実際に鳴っている音なのか良くわからず、私は何度も振り向いた。
家に着くとすぐに玄関に娘ぶー子が飛び出してきた。
「今友達とDVD観てるんだけど・・・。」
そういえばメールがあったな。
仕事中は見れないから帰りに見たのだが、「DVDどうした?」とメールを返しても返事はなかった。
今見てるという事か。
・・・って事は私はリビングに入れないのか。
一瞬にして花のフライデーナイト計画が崩れていくのを感じた私は「はぁ!?今!!」と思いっきりドス効かせて返した。
「あとどんぐらいよ!!」
どれぐらいと言わないところに怒りを感じて欲しい。
「えっと、もうちょっと、あー、1時間、さっき観始めたばっかり・・って言うか、まだその、あの、何ならきりのいいところで止めるよ。」
「ドス・どんぐらい」効果あり。
でもじゃあ出てけとは言いづらい。
なんて事してくれたんだ、このぶー子ッ。
「もういいよッ。」でました、もういいよッ!!
我ながら大人気ないのだ。
さて、寝室に行ったはいいが、やることがない。
ここにあるのはテレビと本ぐらいだ。
本では寝てしまう。テレビをつける。
NHKが物価の上昇・下降についてやっていた。どうでもいいが、他はもっとどうでもいいものばかりだ。
なんで今これをここで私が(泣)
「・・・おかぁさん??」
ぶー子が部屋に来る。
「お父さんがもう会社出るって。」
あぁ、もう帰るのか。私のブログ更新とゲームはどうなるのだ。
「あとどんぐらいよッ。」我ながら恐ろしい女だ。他に言うことはないのか。
「えっと、あの、まだそうだね、1時間??まだもうちょっと、だからその、何だったらすぐ止めるけど。」無益な会話だ。さっきと同じである。
もう、こうして時間が無駄になっていくのが我慢ならないのだ。
そうだ。
「これ脱がして。」と寝たまま足を伸ばし、靴下を脱がさせる。
「風呂沸かして。」靴下の方はオマケである。
立場が悪いので何でも従うのだ。今、私はこの家の頂点に君臨している。
「沸いたらすぐに呼びに来て。」
風呂に入っておけばまだ後で楽だろう。何もしないよりはマシだ。
テレビはチャンネルが変わり、香田晋が御天のとんこつラーメンを食べていた。
このアホ臭い時間を何とかしないと。
「沸きました。」
再びぶー子が来た時には寝ていた。
手にはエルを抱いて来た。さすが、ツボを心得ている。
眠かったがエルで目を覚ます。
ところでこの頃、エルの事を「チンゲ」と呼んでいる。
エル→エルちん♪→エルちんげ♪・・・となったのだ。そりゃダンナが嫌がるからつい面白くてね(笑)
さて、風呂に行ってさらに私の怒りは加速した。
ギャルども大騒ぎである。
ホラー映画を見ていて、黄色い声で叫んだり悲鳴を上げたりだ。
その上ウーファーから鬼のような重低音だ。ボリューム、上げ過ぎである。
私は怒りを堪えてサービス精神を出し「ワッ!!」と言いながら部屋に入ったのだが、お陰で誰も気付かなかった。
ちくしょう・・・(泣)
風呂から出たらやっと映画が終るところであった。
風呂上りにつけたブラが私の胸よりサイズが全然でかく、そのせいで服を着たら胸がかなり大きくなっていた。
ふ、・・・。フフン・・・悪くないね・・・。
ここでやっと機嫌が直ったのであった。
お、9時だ。
もうダンナが帰って来るぞ。
私がメールで怒りまくっていたので、なぜかダンナもヘコヘコ謝っていた。
もう良いぞ。
ラーメン行こう!!