人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子53歳。

 

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天使のハンデ

娘ぶー子のインフルエンザが治り、久しぶりに家族揃って晩御飯を食べた後は、みんな思い思いの場所で思い思いに過ごしていた。

私はパソコンの前を陣取りブログの更新、ダンナはソファに座ってクソモニター修理の手続き、ぶー子はもう1台のパソコンでYouTubeをあてどもなく流す。

エルはダンナの隣に長~く体を伸ばしてボケッと半目を開け、ラとミはダイニングのイスで爆睡。

のんびりと過ごしていた。

キーボードを叩くカチャカチャという音に、YouTubeが流すHIPHOP。

そして、鼻が曲がりそうな異臭も、ずっとのんびりと流れていた・・・。

「ぶー子ォ・・・。」耐えかねてやっとダンナが口を開いた。

「エルのうんち、臭い・・・・・・・。」

エルは横になって半目を開けて、遠くをボーッと見ていた。

エル。

私たちがミルクを与え、赤ちゃんから育てた愛しいチビ猫。

目に入れても痛くないほど可愛いが、なぜかウンコが非常に臭い。

エルより先に我が家の家族になったラとミのモノは、こんなに臭った事など一度もない。

しかしエルはほんの小さな子猫のうちから、今と変わらぬ臭いウンコを捻り出していたのだ。

不思議だ。

どうしてこんなに可愛いこの子から、こんな地獄のように臭いウンコが出てくるのだ?

「あー・・・。」

YouTubeに夢中になってるぶー子は、生返事をしただけであった。

ダンナもそれっきり何も言わずに、修理依頼の用紙にボールペンを走らせた。

「ぶー子ォ・・・。」

どれぐらい経っただろうか。長い時間が流れていた。

しかしぶー子はまだYouTubeを見ていて私はブログの更新をしていた。

「エルのうんち、臭いよ~。」

ダンナは繰り返した。

あたりにはまだエルのウンコ臭がダラダラと流れていた。

エルはまだ体を伸ばしてボーッとしている。

「んー。」

しかしぶー子は関心なさそうに答えただけである。

普段猫のトイレの掃除をしているのは、私とダンナである。

ダンナなど仕事から帰ってくるとすぐにトイレ掃除を始めたりするのでバツが悪いが、私だってやるときはやっているのだ。

ただ、圧倒的に人の目につく機会がないだけである。

そんなダンナが、腰を上げずにただ「臭い」と言っている。

ぶー子に「やれ」と遠まわしに言っているのか?

確かにこの家で一番この家に貢献していないのは、ぶー子である。

ぶー子はただ前を向きパソコンのモニターを眺め、私は黙々とキーボードを叩き、エルはボケ~ッと伸びている。

プ~~~ン・・・と漂うエルの排泄物。

そのままのんびりと時間は流れていく。

「ぶー子ォ、エルのうんちが臭いよ!!」

ダンナの声が大きくなった。

とうとうぶー子も振り向いて笑い出した。

ダンナの願ったようなリアクションが得られそうもなかったので、「本当にエルのうんちは臭いよね」と私が間に入ってやった。

本当に臭い。

エルのウンコは臭い。

臭い臭い。

その横でエルはまだボケラ~ッと半目を開けて伸びていた。

エルが言葉を理解しないと思って、みんなで本人の前で臭い臭いと言っているのだ。

しかしエルはさっきから変わらず、半目で遠くを見ている。

なんだか可哀相になってきた。

言葉の通じない外国人をバカにしていじめているのと同じじゃないか。

エルだって、好き好んでド臭いウンコをしている訳ではないのだ。

もしかしたら臭くて臭くて恥ずかしい思いをしているかもしれない。

それでもトイレは人間の目に付くところにあり、人間が片付けなくてはならないのだ。

みんな、これは臭い事になど気付かないふりをするのがマナーじゃないのか?

「そんなに言ったら可哀相だよ、エルの前で!!」思わず言ってしまった。

すかさずぶー子がギャハハと笑い、「糞が臭ぇって言われるよりいいじゃん!」と訳の分からない事を言った。

違う、そういう意味ではないというのに!!

思いやりをなくしたメス豚め!!

今日も寝不足にて二度寝したが、起きてみるとエルの臭ぇ糞は、まだトイレに入っていた。

あれだけ騒いでおいて、誰一人トイレを片付けなかったのだ。

結局エルの恥ずかしいそれは、私が片付けた。

片付けたが、次に見たらもうそこには新作が入っていた。

臭い。

猛烈に臭い。

そしてそれはまだそこにそのまま入っているのだった。