行った。行って、帰って来た。
写真でUPしたように、出発してすぐにビールが出た。
こんなところから始めてしまったら夜までもたないから、できるだけ地味に過ごし、誰にも関心を払われないように努力した。
私の前と後ろが宴会的に盛り上がってきた。同じ部署の仲間が巻き添えを食っている。恐ろしい。
私は目を閉じて音楽を聴いた。
そのうち前のが後ろのに合流し、ますます盛り上がっていた。すげぇ~。外側から見る酒宴とはこんなものなのか。
新鮮な感動であった。
仙台までバスで7時間近くかかったが、私は音楽と窓際さえ確保されていれば全く苦ではない。
途中何度かウトウトしたが、だからと言ってその間聴いた曲の歌詞が全部頭に入ったりはしなかった。
催眠学習、嘘くせーな。
着いてロビーに入った時点でぶったまげた。
ヤバい、超高級旅館だ。
あちこちに水が流れている。天井、高すぎ。従業員、頭低すぎ。
部屋まで来て館内の案内をした仲居さんなど、おでこが畳につくほどビッタリおじぎした。
ひえ~、人間、あんなに小さくなれるものなのか。
部屋も広く、豪華であった。トイレなどシャレた居酒屋のそれみたいだ。
洗面台のローション類をここぞとばかりに顔に塗ったくったが、よく見るとそれは整髪料であった。
「いかに自分の持って来たものを使わないかだよねー。」と得意げに言った後で、いい笑いものだ。
夕食まで3時間もどうやって時間をつぶそうかと思っていたが、風呂をふたつ回ってダラーっとしていたらあっと言う間だった。
風呂も凄かったぞ。バラがたくさん浮いていた。もうひとつは「ひのき」と書いた木が浮いていた(笑)
料理だって凄かったぞ。
しかし日本には、お酌をして回るというどうしようもないクソみたいなバカくさい習慣があるため、ダラダラ回っているうちにしゃぶしゃぶの肉を途中で下げられてしまった。
アンガなどどこからか肉を一皿手に入れて、机に乗りきれず左手に大皿をもったまま片手でヒョイパクしていた。妬ましい。
2次会は館内のカラオケスナックだ。スナックといってもかなり広い。
ステージで歌うカラオケだ。歌うかよ。歌ったが(笑)
と言っても歌ったのはラルクの「ドライバーズハイ」を2行ほどだ。
3人で歌い、ステージではしゃいでいたら、他の団体から若いのが1人乱入してきた。
さっきからちょこちょこ勝手に入り込んで来たやつだ。
そいつに抱きつかれ「お前、かわいいな。」と言われたが、お前、正面から冷静に私を見てみろよ。ぽ子38歳、高校生の子持ちだぞ。
まぁ知らない方がいい事もあるが。
ここでタバコを吸ってしまった訳だ。
16日間とは微妙な日数だ。
「またやり直せばいいじゃん!」なもんだ。
課長。
次の日携帯のファイルを整理していたら出てきた。まっくろ(笑)
「3次会は社長と専務の部屋に集合」だったが、私はそこで酔いつぶれ、寝てしまったらしい。
アンガが「その程度のザルかよー!!」と私を挑発したらしく、それを聞いた私はガバッと起きて課長の日本酒をコップ1杯一気飲みしてまた寝てしまったと後からきいた。
我ながら素晴らしい酒飲みスピリッツ。女酒飲み侍ここにあり。・・・と社内で1番に酔いつぶれておいて言ってみたりする。
「朝ご飯だよ~。」と起こされた。ウッ、まだ酒残ってる。
顔も洗わず歯も磨かず、眉毛だけ書いて食事に向かった。
あとで分かったが、帯がはだけていた。妖怪か。
酒が抜けていくにつれ、二日酔いが始まって来る。
結局帰りは観光もしないでバスでつぶれていた。
音楽も窓際もあったもんじゃない。
起きていると吐きそうだからずっと寝ていた。
そのうち娘ぶー子の携帯からエルの動画が送られてきた。
ぶー子がエルを立たせ、「お~い、元気かっ!!アタシ元気!!」などとロボットのような声で話しかけてくる。
短い動画であった。最後はなぜか「ワカメ!!茎ワカメーーー!!」と絶叫して唐突に終っている。
意味がわからない。
会社までダンナに迎えに来てもらい、ラーメン食べて、帰って寝た。
行って良かった。
良かったが、私の記憶の抜け落ちた部分をだれかが知っていると思うと不安である。
これから出勤だ。