人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

567→566

昨日はそんな早く寝た訳でもないが、朝はパッチリ目が覚めた。

だからと言ってすぐ起きはしないのだが。

レムだかノンレムだかの睡眠で、気持ちよく目覚める時間とそうでない時があるのかもしれない。

よし、今日は12時に布団に入りラーメン本を15分読んで寝る。

そうすれば明日も気持ち良くウェイカップだ。

さらに、パッチリ目が覚めたからと言って2度寝をしない訳ではない。

いつも2度寝するので、一度寝ないと何もする気にならないのだ。

眠くもないのにソファで目を閉じる。

そういえば目覚ましに朝ゲームをするという計画はどうなったのだ?

本人が聞いているぐらいなのだから、もう終わった事は明白だ。

ゲームすらやりたくない「朝」、恐るべし。

しかし娘ぶー子の登校を待たずに寝たので、起きてからも時間があった。

コレで行くぞ。

12時に布団に入りラーメン本を15分読んで朝7時45分にソファで目をつぶる。

今日のメインイベントは「冷凍庫の片付け」だ。

もうパンパンで、何か買っても、一度中の物を半分ほど出してパズルのように隙間なく入れなおす。

その上に買った物を押し込み、押し込んだまま引き出しを閉める。手を離すと閉まらない事があるからだ。

それにしても、一体我が家にパンパンな所は何ヶ所あるのだろう。考えると気が重くなる。

冷凍庫は2ヶ所ある。

・・・というととてもデカい冷蔵庫を想像してしまうかもしれないが、温度設定が自由にできる小さい引き出しがひとつあるのでそこを冷凍庫にしているのだ。

腐らせのぽ子なのだ。温度は低いに越したことはない。

私は冷凍庫の存在をかなり信頼していて、半永久的に保存ができると思ってる・・・思おうとしている。

しかしそんな考えでいたら、すぐに食べそうにないもので冷凍庫が一杯になってしまったという訳だ。

開けてみると、「すぐに食べない」なんてものではなかった。

賞味期限が2004年のポテトが入っていた。

あとは懐かしいアルバムを見るようであった。

あぁ・・・あったね、確かにこんなものが。

ところが燃えるゴミの袋がなくなってしまった。今日はここまでだ。

これでも引き出し1つ分だ。小さい方。

大きい方の引き出しにはどんな思い出が詰まっているのだろう。楽しみだ。

仕事に行った。

この頃は落ち着いて、残業もほとんどなくなった。

3時に奥様パート連が帰ると、またジャジャマキがぶったるんでチャラチャラ仕事をする。

納品するものを箱に詰めていたら数が足らなかった。

アンガに言うと、彼はせっかく箱に詰めた品物をひとつひとつ出して確かめ始めた。

「これ、間違ってますよ~。」品物に押したナンバーが違っているものが数個あったらしい。「567」が「566」になっていた。

「誰?ハンコ押したの。」珍しくアンガが追求する。

「わかんない。」私は途中からこの作業を引き継いだのだ。

う~ん、と考えてからアンガは「じゃ、とりあえずジャジャマキさん叱っといていいですか?」と言ってきた。

叱れ叱れ。今だって彼女は隣の山口くんと喋りっぱなしだ。

「ダメじゃないですか、ジャジャマキさん!!ハンコ、間違えて押したら!!」

アンガもジャジャマキには強く出る。6つも年下だと言うのに完全になめている。

「す~いませぇん~~っ。」わざと不貞腐れて謝るジャジャマキ。

「こぉんどから気をつけますぅ。」こんなんだから濡れ衣を着せられてもかばう気になれないのだ。

「ホントにお願いしますよ!!」アンガはわざとか知らんが完全に決めつけモードだ。

ちょっとかわいそうになってきた。

つーか、誰だかわからない限り私かもしれないのだ。少ない可能性でも。

「ジャジャマキ、アンガはね、誰だかわかんないのにアンタのせいにしてるよ。」つい言ってしまった。

途端にジャジャはギャーギャー騒ぎ出した。ここは学校か。

ところで誰が。ジャジャマキは執拗に犯人探しをし始めた。

「あの時は・・・多分、松田さんだ!!」

松田さんか。

いや違う。

実はこのあたりでちょっと気付き始めていた。

犯人は自分だと言う事に。

確かに私は途中からこの作業に入ったが、この品物だけあとから加工したので遅れて作業したのだ。

だいたい、良く考えてみればそんなバカみたいなしょうもないミスをするのは私かジャジャマキしかいないのだ。

ジャジャマキはしょうもないチャランポランな野郎だが、記憶力だけはいい。

「明日、松田さんに聞いてみよう。」よせ、ジャジャマキ!!

私がいない午前中にこの失態がバレるなんて、耐え難い。

「大人しそうな顔して。」「ジャジャマキさんよりダメ子じゃない。」

ヒッ。どうしよう、さっさとカミングアウトするべきか。

「・・・んですよね~。」アンガが何か話しかけてきたが、そのことで頭が一杯で聞いていなかった。

とっさにお腹がすいて聞いていなかった、などとしょうもない返事をしてしまう。

あぁ、早く。もうすぐジャジャマキも帰ってしまう。

自然に、自然に。チャラッと行こう。

「あ~、もしかしてさっきのハンコの間違い、私のような気がしてきたんですけどー。」

思いっきり真面目な発言になってしまった。

「・・・まぁもういいじゃないですか、どうせ考えたってわかんないんですからぁ(笑)」

ジャジャマキ・・・。

私は、私生活なら全然気にならないが、仕事に来てチャラチャラする奴は嫌いだ。

私はジャジャマキの仕事仲間であって、友達ではない。

だからジャジャマキを認めていなかったのだが、ジャジャマキよ、今日のアンタの懐の深さには感動した。

そして自分の考えの浅さも反省した。

しかし、帰りにカレンダーを見ると、明日のところに「3時で上がる・ジャジャマキ」と書き込んであった。昨日まではなかった。

水曜日は彼女の彼氏の休みの日だ。

あれだけ言ったのに、まだ改める気はないらしい。

単純に、言葉通りに「考えてもわからなかった」だけなのかもしれない、ジャジャマキ。

あいつ、ちょっと足らんのだ。

まぁいいや。考えたって、どうせわからない。