人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

出るか?

思いがけず仕事が少し早く上がれたので、急いで家に帰る。

今日は娘ぶー子がバンド部の部会(幽霊部員である)があるので遅くなるとの事。

もしぶー子が帰ってなければ、子猫のミルクは6時間近くあいてしまうのだ。

ぶー子は帰っていた。意外と早く帰っていたようだが、やはり子猫はミルクは飲んだがウンチはしてないとの事。

ここのところブログ上でもそうだが、「ウンチ」「ウンチ」と連呼することに全く抵抗がなくなっている。

相手がこんな状態の子猫だと、「排泄物」というより医学用語というか、「血液」「汗」のようなニュアンスなのだ。

同じような感覚で「おっぱい」「乳首(これは哺乳瓶についているアレだ)」なども平気で言うようになったからおもしろい。

これまで病院に連れて行く時は、小さなバッグにカイロを入れてタオルを敷き詰め、毛布でフタをしていた。

ところがちょっと大きくなり力もついてきたので、自力でバッグから出てしまうようになってしまった。

車は駐車場に停める技術がないのでダメだ。

チャリのカゴに乗せなくてはならないから、何か口の閉まる入れ物じゃないと。

バッグを色々漁っていたら、ぶー子がちょうどいいサイズでファスナーのついたバッグを2、3持っていた。

貸せというと「えー・・・。」と渋る。

何が嫌なのだ?やはりオシッコウンチか。

彼女にとってオシッコウンチはまだ「排泄物」なのか。愛情が足らぬ。

「緑のだったらいいよ。」

緑・・・緑・・・。そんな色のバッグはない。

「これだよ。」

彼女が指したのは中学校のときに使っていた紺のスクールバッグだ。

青系の色を緑というなんて、アンタももうオバサンだね。

ちなみにこのバッグは過去に先住猫のラがおしっこをしている。

だから許可が出たのだろう。

子猫をスクールバッグに入れて病院へ行った。

「これは・・・結構すごいですね。」

先生は子猫のお腹を触って言った。

「あの・・・もうちょっと早く来るべきでしたか・・・。」

「いえ・・・。食欲があるうちはまだいい方ですよ。」

ほ~、ネット情報と同じだ。調べた私、すごい。エヘン。

「ちょっとマッサージしてみますね。」出ないって。散々やった。

「う~ん、これは浣腸かな・・・。」やっぱそうか。

注射器のような物から液体を入れる。

クネクネもがく子猫に「ごめんね~、ちょっと頑張ってね~。」と声を掛けながらやってくれる。

「ちょっと我慢ねー。おや、カワイイ顔してるね。」

大した意味もなくオマケみたいに言ったのだろうが、思わず「そうなんです、かわいくて。」と言ってしまいそうになった。危ない、危ない。

しかし出なかった。

「う~ん、ちょっとガンコだねー。じゃ、もっとスルッと出るやつやってみようか。」

お、奥の手か?秘密兵器か?ボス戦体制だね。MP、使い切って下さい。

今度のは注射器の先に細長い管がついていた。

もっと奥地まで「スルッと出るやつ」を注ぎ込むのだ。

注入するとしばらくマッサージだ。これでもなかなか出ないのだ。

そのうちやっとコロン、と2、3個転がってきた。

サイズはこれまで見たものとさほど変わらないが、太い。

「これが詰まってたんですかねぇ?」

「う~ん、でもそれほど硬そうもないし、そうとも言えませんね・・・。」

先生は「まだまだ出るはずだ。」とマッサージを続ける。

それでも出てこない。

もう出ないんじゃないかと気持ちも他にそれてきた頃に突然、ドドドッと大量に出た。

思わず「おおっ!!」と声が上がった。

これは排泄物ではない。

手品で口から万国旗がスルスル出た時と似たような驚きだ。

今までのウンチはハムスターウンチサイズでせいぜい5mmぐらいだった。

このとき出たのは5、6cm程の長いものであった。

良かった、良かった。

これでもまだお腹には結構残ってはいるらしいけど、今回はこんなところにしましょうと言うことになった。

「これだけ出れば大したものですよ。」

「大したもの」で褒められたような気分になったが、頑張ったのは先生だ。

ここの病院は本当に親切で良心的で、しかも安い。

どこの病院か知りたい方は横に表示されている「メッセージボックス」から連絡頂ければ

教えてさしあげますー。

まぁウンチ出てひとまずホッ。