酔っ払ってYouTubeのライブ動画を整理していたのだ。
シラフではとても向き合えない動画ばかりだ。こういうのは酔った時にしかできない作業である。
そこで、埋もれていた動画が出て来たのだ。
曲のタイトルが入っていない。かなり昔のものだ。通っていたミュージックバーのイベントらしい。
覚えがないので、開いてみた。
そこはカオスであった。
恐らくイベントあとのセッションタイムだ。私はレッド・ツェッペリンのかの「天国への階段」を歌おうとしている。
バンドでやっていた曲だし、ギターにはやはりバンドで一緒にやっていたダンナが入っていたので、一見そんなに無謀なセッションになりそうにない。
ところが歌い出すと、客席からまずキーボードが乱入した。このこと自体は良くあることである。私も良くやった。
ところがこのキーボードは半小節ほどずれて入り、カオスが始まる。
曲はやがて、歌に合わせる派とキーボードと同じ半小節遅れの2派に分かれて定着する。
この曲は、同じ繰り返しが延々と続く長い曲だ。その中で違うパターンが時々入るのがややこしいところである。難しくはないが、構成が頭に入っていないとどこをやっているのか分からなくなることは必至だ。そしてこれは、酔っ払いのセッションである。
まずギター2がとんでもなく早い段階で次のパターンに入ろうとした。それをドラムが制止する。それにより演奏が全員止まり、いっとき歌はアカペラ状態に。
一度止まったことによりキーボード派のズレは解消されたが、今度は歌がずれている(笑)歌と演奏とが違う部分をやっているのだ。
もはや何がなんだか分からない。
私はスマホの歌詞を見ながら歌っていたので、意地でも周りに合わせなかった。
すると今度は、キーボードを弾いていた彼がこちらにやってきて、歌い出す。
なので今度は私がキーボードに入ったが、なぜかこれがまた、半小節ズレている(笑)なんでそうなる!?強制ディレイ!?
こうしてもはやどこをやっているのか何をやっているのかも分からずに、キーボードが半小節ずれたまま、ただただAメロとBメロが繰り返されていた。AメロとBメロが全員合致しているのかも怪しい。
次の難関は、ドラムだ。ドラムは途中から入るのだ。もはや構成も何もない。この状態でどうやって入るものかと見ていたが、適当なところで突っ込んで入って来た。まぁある意味正解だ。むしろ救世主。みんなドラムに合わせるのだ!
それなのに、なぜズレる?歌も、キーボードも半小節ずれたまま、曲は進んで行く。
ドラムが入っただけで、相変わらずAメロとBメロは繰り返される。このままではエンディングに進めない。だれがエンディングへの決定打を出すのか。
ここで、ボーカル講師がスマホとマイクを持って登場。第2の救世主だ。ところがマイクが通っていない(笑)
とうとうギターふたりが振り向いてドラムに「どうする?」というなジェスチャーをする。ドラムが強引にパターンを止めて、長めにブレイクをとる。ボーカルがその空間を「オー、ベイビー、ヤー!!」と気持ち良さそうにひとり歌う。オーベイビー??
こうして何とかエンディングに向かうことができたが、今度はギターソロに歌が突っ込んだ(笑)これはボーカル講師が制止。
そしてエンディングパートにも歌の短いパターンの繰り返しが入るが、この回数はボーカル講師がスマホを見ながら歌っていたのでエンドレスに陥ることはなかった。
ただし、講師のマイクは通っていない(笑)講師を見ながら気持ち良さそうに適当に歌う彼の歌(歌なのか?)だけが通っていた。
やっと、終わった。
教訓。
「天国への階段」はセッションに向かない曲だった。
関係者各位に見つけ出されないよう、詳細は伏せておく。