受け身で観てしまったら、全然面白くないだろう。
考察ありきの作品だ。
監督:井上靖雄
キャスト:小栗旬、中村獅童、新井浩文
小学生頃、凄惨ないじめにあっていた村崎。
逆らえずに堪える日々は、復讐心を産んだ。
同じ会社に入り、階下に住んだのは偶然なのか?
村崎の中のもう一人の自分が、狂気の世界へと周りを巻き込んでいく・・・。
ただ見ていれば、支離滅裂だ。
どこからが現実で、どこからが妄想か。それを考えるところを楽しまなくては、面白みは全くなくなってしまう。
なので、正直、最初の感想は「訳が分からない、つまらなかった」である。
しかし終わってから色々と矛盾点を拾い上げてみると、どこかに正解があるような気がしてくる。
考察は、評価の後に。
まぁやっぱり「分かってナンボ」の作品は、分かりにくいと命取りだ。感想は、微妙。
ぽ子のオススメ度 ★★☆☆☆~★★★☆☆(考察後)
ダンナのオススメ度 ★★☆☆☆
【考察】ネタバレ注意
まず矛盾点として、
①青酸をかけられたのに、十三の顔が綺麗
②最後の回想シーンで、アパートが取り壊されている
ここから紐解いていくと、①の青酸をかけられた事実はなかったのではないかということになる。となると、13号のシーンは全て妄想と言うことになる。
②の回想シーンの年代は、子供時代である。にも関わらず、大人になってから住んでいるアパートが取り壊されているということは、やはりこのアパート自体が妄想ではないのか。
これを前提にして合理的なストーリーにするのなら、十三が赤井達にいじめられてはいたが、最後に反撃したシーンから仲良くなるまでが真実のストーリーではないだろうかと思われる。
13号は、「反撃しないで耐え続けていたらどうなっていたか」の妄想シーンだ。というか、本人の妄想ではないかもしれない。作者の妄想だ(笑)それを私達が楽しんだのである。
この作品は、いじめられっ子に送る「勇気を出せ」というエールなのかもしれない。