そろそろ2ヶ月が経とうとしている。
長い間お世話になっていたボーカル教室を辞めたのは、4月の第1週。
まだボーカル教室が立ち上がる前の、合唱団時代からの付き合いである。2015年。
合唱団から個人ボイトレ、最後はボーカル教室のアカペラクラス。
本当に本当に、とても勉強になり、いい経験をした。やはりプロから学ぶことは上達への近道となる。
月に1回という実にゆったりペースのクラスであった。それが居心地よかったのだが、最近はその月1ですらしんどくなってきたのだった。
レッスンに限らず、「何かをする」という予定が入っていることが、重い。
終わらない家事の間に、イレギュラーが入るプレッシャー。
病院、郵便局、ちょっと先のホムセン。そんなものでも負担なのだ。もう毎日家事だけでいい。
それでも、アカペラを辞めるには葛藤と言ってもいいほどの迷いがあった。
バンドも辞めた。ゴスペルも辞めた。最後の私の音楽との繋がりである。
もちろん音楽ならひとりでも出来ることはある。
それでも、他者が関わることで多少なりとも責任が生じ、それが向上に繋がっていたのだ。
サボれない、手を抜けない、という状況は、私のような消極的人間には必要なものだ。月に一度でも集まる約束があるから、月に一度分の練習はする。こうして辛うじて音楽に関わり、辛うじて止まらずに来られたのだ。
一時期は、アレンジユニットを作ろうという構想もあった。
それも、責任や約束がなければ進まないのである。
認めたくなかったが、結局その程度だったのだ。
なんだか疲れてしまった。
「このまま終わってなるものか」
自分はこんな程度の人間ではないと思いたかったが、結局こんな程度であった。
なれないものには、なれないのである。
なろうという気もなくなった。
色々やりたいことはある。
でも今はちょっと、休みたい。
ピンセットで切手をつまんでいる時に感じる至福。
歳を取ったのかな。
このまま終わるのだろうか。