原作は日本のコミック。アメリカ版の映画もあるようだが、この韓国版の方ががダントツに評価が高い。
監督:パク・チャヌク
キャスト:チェ・ミンシク、カン・ヘジョン
オ・デスは、酒好きで時々問題を起こすようなことはあるが、家族思いの至って平凡なサラリーマンだった。
それなのに、ある日突然、監禁されるのである。
心当たりはない。
いわれなき監禁に憤るが、結局耐えて日々過ごしていくしかなかった。
「絶対に復讐する」と決めて・・・。
そして、解放も突然だった。
早速デスは情報を集めて、自分をこんな目にあわせた人間を割り出そうとする。そして気づく。これは完全な解放ではない。奴は自分をまだ追っている。自分はまだ奴の手の中だ。どうやら自分も「復讐」されているらしい。
こうしてふたつの復讐が、絡み合う・・・。
思いもよらない展開の連続に、息を飲む。残忍なシーンも多いが、それだけ彼らの「恨み」は強い。
監禁された理由が少しずつ分かっていくにつれ、なんともやりきれない思いになる。
「そんなことで!?」と言いたくなるが、当事者の回想シーンを見ると、当事者にしか分からない想いというものが何事にも存在するんだと思い知らされた。切ない。
そして最後に分かる、本当の意味での復讐。これがまた、凄かった!!
ここで彼らの復讐劇の勝敗がはっきりするが、敗者となるデスの、哀れなまでの豹変ぶりに涙腺が崩壊しそうになる。
結局彼らふたりの復讐の根底にあったものは、「愛」だった。
バイオレンスな作品ながら、切なさがとめどない。
ネタバレ考察は最後に。
ぽ子のオススメ度 ★★★★★
ダンナのオススメ度 ★★★☆☆
以下、ネタバレ考察。
結局最後、催眠術でデスの記憶は消えたのか?が焦点になるが、私の読みとしては、「記憶は残っている」。
雪の中のデスの足跡をたどっていくと、術をかけられたときに座っていたイスにたどり着く。つまりデスは、歩いていたのだ。術中歩いたのは、「モンスター」の方。
デスは、モンスターのままだと思う。