保護犬ミツコの散歩には、朝晩2回行っている。
1回で済めば楽なんだがなぁ、と思うのが正直なところだが、中型犬は2回が理想とのことだ。
特にミッツは家の一部屋に繋ぎっぱなしなので、できるだけ出してやる方がいいだろう。
そりゃ、時間さえあれば、何べんだって出してやりたい。問題は時間だけだ。
散歩そのものは、気持ちがいい。
雨の日も、晴れの日も、風が強い日も、曇りの日も。それぞれの良さがある。
そんなことを感じられるようになったのは、私もミッツも慣れて来たからだろう。余裕ができてきたのだ。
今の季節は道路が熱くなるので、晴れた日の散歩は早朝か日が暮れてからになる。
特に時間は決めていなかったから、その日も家事がひと段落したタイミングでミッツを連れて出た。
まだ明るく、これから日が落ちようというところであった。
慣れてきたと言っても、まだトレーニング中の身だ。常にミッツに気を配り、ダメ、よし、とナビゲートしつつ進んでいた。
ふと気が付くと、ピンク色に包まれていたのである。
見渡すと、見事な夕焼けだ。
オレンジ、ピンク、水色、とグラデーションに染まっている。
帰る頃には空は群青色になっていて、一番星がきらめいていた。
この日から私は、この時間帯を狙って散歩に出るようにしたのだ。18時45分。
しかしなかなか時間通りに出られなかったり天気が悪かったりして、あれから夕焼けには出会えていない。
それでも空のもたらすドラマに感動し、暮れていく様や流れる雲を楽しむようになった。
朝夕は、一番変化があって楽しめる時間だ。
冬になれば、朝焼けを見ることができるかもしれない。
散歩、楽ではないが、楽しんでいる。