人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

幸せの質

大五郎の検査結果が出たのだ。

別に悪いところがあった訳ではないが、フィラリヤにかかっている犬と同居するために、予防接種が必要だったのである。その時に、セットでついでに検査をしてもらったのだ。

数字だけでまだ診断結果ではない。しかしこれは多分、腎臓病だ。腎臓系の数値が悪い。

自力で調べたところによると、恐らくまだステージ2あたりと思われるが、それでもこの段階ですでに腎臓の75%は機能していないという状態になるらしい。

治らない病気だ。後はいかに機能を温存していくかという話になる。

どの病気も、療養食に切り替えることになるのが王道だ。今は本当に、多彩な療養食が色んなメーカーから出ている。

2年前に腎臓病で死んでしまったラッキーもやはり、療養食を食べていた。

エルも、大五郎も、尿路結石予防のご飯だ。アレルギー持ちのエルはここに、グレインフリーが加わる。

この頃はずいぶん種類が増えてきたが、それでも制限は制限である。選択肢はグッと狭くなった。

飽きたと言って食べなくなると、困ってしまう。仕方なく普通のご飯を混ぜたりしている。

それなのに、今度は腎臓の療養食か。

もちろん長生きして欲しい。

でも、幸せでいて欲しい。

昔は犬も猫も、人間が食べるようなものを普通に出していたものだ。

それにより寿命が今より短かったかもしれないが、それが不幸かとは思えない。

犬猫が長生きしたいのではなく、飼い主が長生きして欲しいと願うのである。

繰り返すが、もちろん私だって長生きして欲しいと願っている。でも、美味しいものを食べて欲しいとも思うのだ。

「またこれか」と食いつかず、あれこれ混ぜて誤魔化して無理に食べさせる食事。

混ぜた時点で療養食にはなっていないのだ。何だかバカバカしい。

正直に言うが、ラッキーの時の治療は、腎臓病の診断が下りても症状が出るまでいい加減なものだった。

薬はすぐにやらなくなったし、療養食もやはり混ぜて誤魔化してやっていた。

診断が下りてから4年だったが、その時点でラッキーはもう19歳であった。

アンハッピーな食事で少々長く生きたとして、どうなのか。

彼らの人生の意義は、長さではなく質ではないのか。

ということで、ちょっと悩んでいる。

治療を諦めるつもりはないので療養食も試すが、大五郎の幸せを一番に考えたいと思うのだ。

う~ん。