昔実家にいたころ、テレビで放送したのを観たのだ。
かなり衝撃的だったことは覚えていたので、もう一度きちんと観たかったのである。
監督:野村芳太郎
キャスト:桃井かおり、岩下志麻、 柄本明
ある晩、白川酒造の社長・白川福太郎の車が海に沈んだ。
ブレーキやスリップした跡もなく事故か自殺か判断ができなかったが、問題なのはその車から、妻の球磨子だけが逃げて助かったことである。
福太郎には、多額の保険金が掛けられていた。助かった妻は前科4犯、福太郎の後妻であり、そのあまりの悪女ぶりに、親族から離婚を迫られていたところであった。
福太郎の気の弱さに漬け込み、好き放題していた球磨子だ。容疑者として逮捕されるが、ふてぶてしく無罪を主張。
弁護士も辞退してしまい、裁判は難航した。
最終的に国選弁護士として球磨子についたのは、俊敏の女弁護士・佐原律子。
誰もが球磨子の有罪を信じる中、たったひとり、彼女の弁護を始めたのであった・・・。
まず、球磨子の極悪ぶりが衝撃であった(笑)悪女なんていう可愛いものではない、性悪女という言葉がピッタリである。
桃井かおりの迫真の演技で、嫌悪を通り越して気持ち良くさえあった。
対する弁護士の律子がまた冷徹、しかし頭脳明晰で、対照的な心地良さがあった。
ミステリーというジャンルになるのだろうが、このふたりの個性が強烈で、「謎」はその中に自然の溶け込んでいた。
また、国民感情を操作するような警察や報道のありかたを風刺しているようなところもあり、こういう部分は今も変わっていないのかと感じられた。
最後に「女としての生きざま」、対照的なふたりだが、実はどこか似ているようなところがあるのではと思わされたのだ。
古い映画だが、違和感なく楽しめた。
とにかく球磨子の性悪ぶりと、律子の鬼っぷりだけでも、観る価値はあるかと(笑)
ぽ子のオススメ度 ★★★★★
ダンナのオススメ度 ★★★★☆