水温管理を怠って、成魚1匹と稚魚3匹を死なせてしまってから、ベランダの東側は寂しいことになっていた。
稚魚の飼育に使っていた発泡スチロール鉢には誰もおらず、1号鉢の成魚はとうとうたったの2匹に。
辛うじて、1号鉢の中に隔離したネットの中の2匹の稚魚が、なぐさめとなっていた。
このままだと今年の稚魚は2匹だ。
採卵した数に対する孵った数も少なかったが、死なせて全滅したことが本当に悔やまれる。
そんな中ある日、一号鉢のエサやりをしていたら、新たな稚魚を発見したのだ。
産み付けた卵や小さな稚魚は成魚が食べてしまうようで、人の手で採卵してそれなりに育てないと、このように稚魚を見ることは難しい。
それでも時々このように生き残る子がいるのである。
2、3日あとにももう1匹、同じ色の稚魚を見つけた。
稚魚は黒系が多いのだが、この2匹は楊貴妃のきれいなオレンジを継いでいる。死なせてしまった発泡鉢の子の色と良く似ている。
黒の色味がないので、もしかしたら死んでしまった白い子との子供なのかもしれない。
自分がそう思いたいだけかもしれないが。
掬ってネットの「保育園」に保護したのだ。
少しでも大きくなるようにせっせとエサをあげているが、冬を越せる程の大きさになってくれるだろうか。