*敬称は省略させていただきます。双方、愛してますのでEE:AEAAB*
とある街の洒落たお店で、ダンナとワインを飲んでいた。
一番安いボトルワインを頼むのが常だったが、「もうチリもスペインも飽きた。」と言って、イタリアの白ワインを注文する。
こんなことに「大人になったもんだ。」と思ったりしてしまう自分は、まだまだ子供である。
軽く酔いが回って来ると、舌も滑らかになって来る。
熱く語ることも多いが、そうなる前にくだらない話題が上がることも、酔いの特徴かもしれない。
「梅宮辰夫と村上春樹、一緒に飲むとしたらどっちがいい?」
「えっEE:AEB2F」
ダンナはしばらく考え込んだ。2択のバランスは良かったようである。即答されては、面白くない。
「ちょっと~・・・、どっちもなぁEE:AE5B1」
だろうね、私でも困る。まぁそういう組み合わせを選んだのだ。大いに悩んでくれ。
「む、むらかみ・・・、」
「ええ~~っEE:AEB2FそっちEE:AEB2F私なら梅宮辰夫にするけどEE:AEB30」
「えーーーっEE:AEB2F梅宮EE:AEB2Fちょっとそれは・・・。」
私がこの2択にこの2者を選んだのは、「気難しそう」、「プライドが高そう」、「接点がない」というあたりからであった。
小説を読んだということでは春樹の方が近くにいたが、その小説の文面から、全く仲良くなれそうにない人種の匂いを感じていた。
小説という接点が、私達に接点のないことを示唆していたのである。
「でも梅宮と何を・・・。」
「持ち上げれば気を良くしてくれそうな感じが・・・EE:AE471意外と単純そう。」
「春樹には、ギリシャの話でもしてもらう。」
おっ、なるほど、確かにそれも使えそうだ。
「梅宮アンナ(同い年である)はどうだEE:AE482」
「バットを持って地下にもぐるEE:AE482(春樹の小説のワンシーンである)」
「朝早くジョギングしたら、ベーグルサンドなんか作ってキッチンで食べるEE:AE482(春樹の小説に良く出て来るキャラ像だ)」
「りんごの皮を剥くように、人間の皮を・・・(同じく春樹の小説に出て来るシーン)」
「げえっ・・・。」
戦争中の中国かモンゴルが舞台だったと思う。
ナイフで人の皮を剥くという拷問があり、その残忍さに当時非常にショックを受けた私達であった。村上小説の話になると、いつもこの「リンゴの皮を剥くように」が出て来てしまうのだ。
全部言う必要はない。「村上」ときて「リンゴ」と言っただけで、私達には通じるほどだ。
これもまた酔っ払いにありがちななぁなぁで、この話題は終わった。
お二方とも著名な方ではあろうが、やはり一緒に飲むなら気心の知れた人と飲みたい。