「どうしたのEE:AEB2F大丈夫EE:AEB2Fどこか具合悪いEE:AEB2F」
私を見るなり、彼女はまずこう言った。
まぁ悪いっちゃ悪いが、大丈夫っちゃ大丈夫。
いつものヤツだ。二日酔い。それにしても顔でそんなに分かるもんなのか。
最後に会ってから、9ヶ月も経ってしまった。
友人に会いに新宿に出たのだが、毎度話しても話しても話し足らず、できることならワンシーズンに1回は会いたいと思っていたのだ。
それが、9か月。
大人になり、お互いに違う生活を持つということは、こういうことなのだろうか。
若い頃は、毎日のように会っていた友達だ。
その頃も、話しても話しても話は尽きることがなかった。
私達の間には、人がなかなか理解できないような種類の共通点がある。
ずっと心の奥に閉じ込めていた禁断の箱を、ふたりでそっと開けてしまう。
その箱の中には、どうしようもないガラクタや危険物が詰まっている。
そんな箱など本当はふたりで捨てに行くべきなのだろうが、罪の意識や自虐、後悔、慚愧といったネガティブな感情の共有というのは、どこか甘味なものである。
ひとりで耐えかねて封印していたものを、ふたりで分かち合えるのだ。
彼女は私に成長や進歩を求めない。
受容と共感。私の渇望していたもの。
ギリギリで間に合った終電、上石神井止まりEE:AEB64
タクシーで帰るには遠すぎるので、ネカフェで一晩。
こうしてまた、二日酔いから一日が始まるのであった。