人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

禁断の箱を開ける夜

「どうしたのEE:AEB2F大丈夫EE:AEB2Fどこか具合悪いEE:AEB2F

私を見るなり、彼女はまずこう言った。

まぁ悪いっちゃ悪いが、大丈夫っちゃ大丈夫。

いつものヤツだ。二日酔い。それにしても顔でそんなに分かるもんなのか。

最後に会ってから、9ヶ月も経ってしまった。

友人に会いに新宿に出たのだが、毎度話しても話しても話し足らず、できることならワンシーズンに1回は会いたいと思っていたのだ。

それが、9か月。

大人になり、お互いに違う生活を持つということは、こういうことなのだろうか。

若い頃は、毎日のように会っていた友達だ。

その頃も、話しても話しても話は尽きることがなかった。

私達の間には、人がなかなか理解できないような種類の共通点がある。

ずっと心の奥に閉じ込めていた禁断の箱を、ふたりでそっと開けてしまう。

その箱の中には、どうしようもないガラクタや危険物が詰まっている。

そんな箱など本当はふたりで捨てに行くべきなのだろうが、罪の意識や自虐、後悔、慚愧といったネガティブな感情の共有というのは、どこか甘味なものである。

ひとりで耐えかねて封印していたものを、ふたりで分かち合えるのだ。

彼女は私に成長や進歩を求めない。

受容と共感。私の渇望していたもの。

ギリギリで間に合った終電、上石神井止まりEE:AEB64

タクシーで帰るには遠すぎるので、ネカフェで一晩。

こうしてまた、二日酔いから一日が始まるのであった。