人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

可愛い呪い

あれから2週間。やはりそれはそこを動くことはなかった・・・。

押入れの中はどうなっているのか、実はきちんと把握していなかったのだ。

あの中は布団だらけだ。

ダンナの羽毛布団、こたつ布団、キャンプ用毛布、客用布団セット2組。

これでもずいぶん前に一度整理して、スペースを作ったはずである。

スペースがあるなら、有効に使いたいものだ。どの部屋も、しまいたいものだらけであった。

和室の押入れだ。

猫が爪を研ぎ、ささくれた部分を食いちぎったので、襖はボロボロ。

そのうえ勝手に開けて入るようになったので、鍵までついて、更にクッションで押さえてダメ押しがしてある、ボロボロのくせに屈強な襖であった。

開けると、ドカッと掃除機が飛び出してくるというトラップ付き。

お約束のドカッを受け止めてどかし、布団を引っ張り出す。あー・・・。

見たくなかった、これもまた数年前に逃げた現実である。

それは大きなショッピングバッグだ。中にはゴッソリ、

ゴッソリ食玩が入っているのだった。

何年もかけて溜めたものである。専門店でパックになっているものも買った。恐らくダブりもあるだろう。

いやいっそ、ダブりばかりであってくれたら、どんなに気が楽になるか。処分できるからである。

私が困り果てて逃げたのは、処分したくないからなのだ。

いつ見ても、何度見ても、何年経っても、やはり捨てるには惜しい。

なぜ小さいというだけで、こんなに胸がときめいてしまうのだろうか。

我が家にはすでに2つのコレクションケースがあり、1つは満室、もう1つは飾っている途中で力尽きて、半分ほど空いたままになっていた。

しかしどう考えてもこの残りのスペースには収納しきれない。サイズ的に無理なものもある。

いずれにしても全て収納するなら、コレクションケースがもっと必要だ。

高いのよねEE:AE5B1

残りの食玩全て収納できるだけのケースを買ったら、恐らく数万円にもなるだろう。

バカバカしい。

今だってこんなにして飾っても、誰が見る?

そもそも一体何のために、地方の特産品や寿司の小さくなったものなんかを飾っているのか?

それがどうした、と言ってやりたい。

こんなもの、なくたって一向に困りはしない。だーれも。

なくなって一向に誰も困らないものが、意味もなく壁からぶら下がっているのである。

そればかりか、今となっては「あって困るもの」まで出てきてしまったのだ。

もう決断の時だろう。

コレクションケースを覗く。

・・・・・。

・・・・・。

・・・・・。

ううっEE:AE5B1

だから困っているのである。捨てられるなら、もうとっくにカタはついている。

普段気にとめなくても、こうして見ると、やっぱりトキメイてしまうものだ、恐るべし特産、恐るべし寿司。

これを捨てるなんて、私にはできない。きっと永久に。

あぁ、とんでもないものを買ってしまった。

可愛いだけで、呪いの壷と大して変わらないじゃないか。

かくして2週間、食玩のたっぷり入ったショッピングバッグはリビングに出たまま動かないのであった。

とりあえず、給食シリーズでも出してみるかね・・・。