九州の布団を片付けたついでに、押入れから赤い袋を引っ張り出しておいた。
そんな事をしている場合かよく分からなかったが、押入れの扉はダンナの布団がつっかえてなかなか開けられるチャンスがないのだ。
出すなら今である。
実はダイニングの壁には、もう数週間前から空のコレクションケースが掛けられていた。
ここに掛けられるまでも数年を要したが、ここに掛かったからといってすぐに中味が入る訳ではないのがぽ子家である。
たまたま布団を入れたために、思ったよりも早く入る事になったが。
赤い袋には、様々な「食玩」といわれる小さなフィギュアやオマケが入っている。
一時期集めるのにハマり、手当たり次第に買った結果だが、引越しのどさくさでたくさんなくなってしまい、一気にどうでもよくなってしまったのだった。
しかし捨てもしない、集めもしないそのままでは場所の無駄である。
せっかくだから飾る事にしたのだが、それにしてもコレクションケースの高い事よ。
遊び半分で集めていたが、結構金のかかる趣味である。
しかし今回ダイニングに掛かったのは、千五百円か二千円の安いものである。
7千円のきちんとしたものをネットオークションで購入した後に探し出した、ダンボールとプラスチックでできたチャチいものだが、この後いくつ必要になるかはわからない。
コイツで充分である。
しかしいざ入れようと思うと、意外と小さい事がわかった。
私は手当たり次第に色んな物を無節操に集めたので、赤い袋の中には「給食シリーズ」も「インテリアシリーズ」も「日本の妖怪シリーズ」も「銀河鉄道999シリーズ」も入っていたが、ここに入るものはサイズ的にかなり限定された。
それでもとても全部入らないので厳選するのだが、一体何を根拠にここに入れたらいいのだろうか?
少し考えて、結局ゲーム絡みのものを入れる事にした。
すぐそこに本物のゲーム機が見えたからだが、そんな事ぐらいしかきっかけがなかったのだ。
まずは80年代のゲーム機シリーズを入れた。昔、喫茶店なんかに置いてあった100円でプレイするヤツだ。
なのでテーブル型である。
ちゃんとゲームもできるので気に入って9種類を集めたが、結局遊んだのは2、3種類を数回であった。
家にはプレイステーションというもっとハイテクなゲーム機があるのだ。
4cm四方などのゲーム機がそれに勝てるはずがない。
次にはテレビゲームのシリーズ。これは3種類しかなかったが、3個ダブりがあった。
6個買って3個ダブりという結果である。痛い。
旧型ファミコンとスーパーファミコン、そしてソフトだけが数種類のもの。
ここで私は自分の失敗に気付いた。
食玩のほとんどは組み立てなくてはならないのだ。
もう時間はあまりなかった。
なんでなかったかというとまた例のアレをやっちまったからだが、床とテーブルには食玩がところ背狭しと散らばって、壁には3分の1も埋まってないケース。
今さらしまうには中途半端である。
仕方なくチマチマとゲーム機を作り、シールを貼り、ソフトを入れる箱を作った。
だいたい食玩なんてどれもミニチュアで、時間に迫られてチャチャッと作れるものではない。
そもそもこういった作業は苦手で、非常にイライラした。
なので次に入れるものは、組み立てのいらないものにした。
ちょうどいいものがある。
ペットボトルのドリンクについてきたキャップのオマケである。
ゲームつながりでFFとスーパーマリオのキャラクターを選んだが、それでも少しスペースが残ってしまった。
もう考えている時間もない。
仕方なくそのスペースにはスターウォーズのキャラを入れた。
スターウォーズなんて見たこともないので、名前もわからない。
どうしてもひとつ入らなかったのでどれかを諦めなくてはならなかったが、一体どのキャラが一番必要ないのだろうか。
というか、スターウォーズ、必要あるのだろうか?
名前すらわからない彼らを飾る価値も意味も、我が家にはない気がするのだが。
しかし全部入ってみると何となく晴れ晴れとした気持ちになった。
明らかに仲間はずれがいるが、パッと見、わからないところがこのケースの魔力である。
さてこれはほんの一部である。
全て飾り終わるにはさらに数年を要するであろう。
量の多さというより、私のだらしなさからであるが。
写真を撮るのがヘタだという話を書いたばかりだが、何でこんなに写りが悪いのか謎である。
不愉快だ。