人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

笑の大学

ないと思っていたのだが、「笑いの大学」で検索していたのだ。「い」がいらなかった(笑)

読みは同じようだが。

目下ハマッている三谷幸喜の舞台作品の映画化である。

             

     監督:星護

     キャスト:役所広司、稲垣吾郎

舞台は昭和15年。

戦時下で演劇の内容も規制され、検閲を受けることになっていた。

これはその検閲をする側と受ける側の物語である。

いつものように脚本を持って訪れた喜劇作家の椿一だが、そこにいたのは新しく配属された検閲官・向坂であった。

彼は生まれてこのかた笑ったことなどないと豪語し、椿の脚本に難癖をつけては許可を引き延ばしていた。

何としても公演したい椿はいちいち向坂の言うとおりに脚本を書き換えるが、彼は喜劇作家のプライドをかけて絶対に笑える作品にする努力をする。

すぐに音を上げると思っていた向坂の最後の注文は・・・。

これも基本的には検閲室1室のみで繰り広げられるコメディである。

カタブツの向坂とちょっと気弱な椿のやりとりが面白い。

ストーリーは笑いを含んでホンワカと進み、やがてシリアスなエンディングへと向かう。

三谷作品独特の、悪意の全くない健全なものだが、ここまで毎度優等生だと少々刺激不足でもある。

またクライマックスも引っ張り過ぎでクドさを感じた。

しかし全体的にとても楽しめたと思う。

優しい笑いは人を幸せにする。

向坂と椿を見ていて私は何だかとてもハッピーな気持ちになれた。

どちらも愛すべきキャラクターで、しまいには「どっちも頑張れ!」という気持ちになっていた。

私は役者としての稲垣吾郎はあまり好きじゃないが、今回は結構ハマり役であった。

でもやはりベテラン・役所広司はさすがである。

「にっくき愛すべき検閲官」を見事に演じきったと思う。

ぽ子のオススメ度 ★★★★☆

ダンナのオススメ度 ★★★☆☆ 穏やかな楽しさ

ぶー子のオススメ度 ★★☆☆☆ 笑いが浅い