バベル‐の‐とう〔‐タフ〕【バベルの塔】
《Babelは聖書の地名シナルの古都》旧約聖書の創世記にある伝説上の塔。ノアの大洪水ののち、人類がバビロンに天に達するほどの高塔を建てようとしたのを神が怒り、それまで一つであった人間の言葉を混乱させて互いに通じないようにした。そのため人々は工事を中止し、各地に散ったという。転じて、傲慢に対する戒めや、実現不可能な計画の意にも用いられる。
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
キャスト:ブラット・ピット、 ケイト・ブランシェット
役所広司、菊地凛子
モロッコ、アメリカ(メキシコ)、日本、と3つの舞台が時間を前後させながら織り成していく作品である。
モロッコの小さな村で、コヨーテを退治するためにライフルを手に入れた一家。
ヤギの番を任されていた幼いアフメッド、ユセフの兄弟は、その銃の威力を甘く見ていて、ゲーム感覚で崖下の観光バスを撃ってしまう。
一方、観光バスの中には、今にも壊れそうなリチャード、スーザンの夫婦が乗っていた。
弾丸はスーザンの首を射抜く結果になってしまう。
アメリカではリチャードとスーザンの幼い子供たちが子守と共に彼らの帰りを待っていたが、子供たちは事情を知らされぬまま子守と待つ事になる。
しかし子守のアメリアには、息子の結婚式があるのだ。
リチャードは一方的に「子供たちを頼む」と電話を切ってしまう。
日本では聾唖の女子高生・チエコが、満たされない毎日を送っていた。
高級マンションの上層階に住み、優しい父と暮らしているが、彼女はそんな暮らしに背を向けて投げやりに生きていた。
そんなチエコの元にある日、刑事が「お父さんと話がしたい」とやってくる・・・。
とにかく「何が起こるのか?」「どうなっちゃうのか?」と目が離せない。
始めのうち3つの舞台は全く無関係のようであるが、それが徐々に繋がっていく。
みんな不幸である。
やり場のないどん底に叩き落されているが、思わず「頑張れ!」と観ているこちら側は手に汗握る。
しかし、終わりは突然だった。
「は?」
と言って、しばし沈黙。
これでは意味が全然わからない。
確かに何となくハッピーになった人もいるが、「どうなっちゃうの?」の人もいるのだ。
3つの話も繋がったことは繋がったが、特に日本との繋がりは些細なもので、あまり必要性を感じない。
だいたいチエコの荒れっぷりはイマイチ現実味がなく、すぐに脱ぐあたりも不快であった。
刑事に謎めいた手紙を渡しているが、内容はわからぬまま、こちらの想像に委ねられる。
もしかしたらこの手紙に、物語の核心部分が書かれていたのでは、ちゃんと観ていればわかるものだったのかも、と思ったが、様々なサイトを調べた結果、そうでもなさそうであった。
何か大きなメッセージを伝えたいのだろうが、残念ながら私にはそれが何だか分からなかった。
途中までは釘付けだったが、終わり方だけが大きな不満である。
ぽ子のオススメ度 ★★☆☆☆
ダンナのオススメ度 ★★★☆☆ 何が言いたいのか?
ぶー子のオススメ度 ★★☆☆☆ それぞれの話は良かった