人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

モロッコ

いつもの宅配レンタルではなく、父から借りた古い名作だ。

いや古いとは分かっていたが、まさか1930年とは・・・・・・・。   

     

  監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ

  キャスト:マレーネ・ディートリッヒ、ゲイリー・クーパー

プレイボーイのトムは、モロッコに駐在する外人部隊の一員であった。

現地の女性をたらし込み、遊び歩く毎日。

そんなトムはある晩、酒場の美人シンガー・アミーに一目惚れしてしまう。

しかししたたかなアミーはなかなかなびかず、駆け引きのような綱渡りが続く。

アミーを狙うのは、トムだけではない。大金持ちのベシエールの猛烈なアタックが功を奏し、トムの遠征中に婚約する運びとなってしまった。

気位が高く、素直になれないトムとアミーのふたりの本心は・・・。

いやまずストーリー云々の前に、古っ!!こうなるともうアンティークの域で、今の映画とは全く質が違う。

クオリティという意味ではなく、作品の狙いどころそのものが根本的に違うので、良し悪しで語ることはできないのだ。

セリフのひとつひとつ、しぐさのひとつひとつが作品のようになっている。

キザだ。粋とも言える。

ストーリーよりも、そういったものを見せる芸術作品だ。

当時これを見て、しぐさやセリフを真似たりすることが流行ったことだろう。

こういうと中身がないような響きになってしまうが、ラストシーンに痺れてしまった。

くわえタバコに腕組みの気取ったアミーが、ヒールを脱ぎ捨て裸足で砂漠をワイルドに歩く。

その姿は、裸になった素直な自分の気持ちと重なるのである。

芸術的な作品だが、現在となっては万人受けするものではないだろう。

ぽ子のオススメ度 ★★★☆☆

ダンナのオススメ度 ★★★☆☆