いつもの宅配レンタルではなく、父から借りた古い名作だ。
いや古いとは分かっていたが、まさか1930年とは・・・・・・・。
監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ
キャスト:マレーネ・ディートリッヒ、ゲイリー・クーパー
プレイボーイのトムは、モロッコに駐在する外人部隊の一員であった。
現地の女性をたらし込み、遊び歩く毎日。
そんなトムはある晩、酒場の美人シンガー・アミーに一目惚れしてしまう。
しかししたたかなアミーはなかなかなびかず、駆け引きのような綱渡りが続く。
アミーを狙うのは、トムだけではない。大金持ちのベシエールの猛烈なアタックが功を奏し、トムの遠征中に婚約する運びとなってしまった。
気位が高く、素直になれないトムとアミーのふたりの本心は・・・。
いやまずストーリー云々の前に、古っ!!こうなるともうアンティークの域で、今の映画とは全く質が違う。
クオリティという意味ではなく、作品の狙いどころそのものが根本的に違うので、良し悪しで語ることはできないのだ。
セリフのひとつひとつ、しぐさのひとつひとつが作品のようになっている。
キザだ。粋とも言える。
ストーリーよりも、そういったものを見せる芸術作品だ。
当時これを見て、しぐさやセリフを真似たりすることが流行ったことだろう。
こういうと中身がないような響きになってしまうが、ラストシーンに痺れてしまった。
くわえタバコに腕組みの気取ったアミーが、ヒールを脱ぎ捨て裸足で砂漠をワイルドに歩く。
その姿は、裸になった素直な自分の気持ちと重なるのである。
芸術的な作品だが、現在となっては万人受けするものではないだろう。
ぽ子のオススメ度 ★★★☆☆
ダンナのオススメ度 ★★★☆☆