人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

水曜日のイレギュラー

イレギュラーな予定がポツポツ入り、ペースを掴めない週である。

そんな「予定」の中には、「飲んでしまった」も含まれる。

この大きなイレギュラーは大きく翌日を狂わせるので、恐ろしいイレギュラーなのであった・・・。

娘ぶー子が帰ってきたのだ。

今度は宇都宮へ行っていたのだが、土産に地ビールとワインと餃子を送ってきたのだった。

いつでも飲めるようにビールは冷やしたのだが、その「いつ」は「すぐ」に「突然」やってきたのである。つまりそれは、我が家に届いた翌日=昨日だったのである。

ダンナの顔色を窺うように、夕食のテーブルにビールグラスを置く。

まだこれでは「飲み」は確定しない。冷蔵庫にはノンアルも冷えており、これを飲む日も多いのである。

何となく、「飲もう」と言い出したほうに翌日の責任が生じてしまうような気がして、できるだけその決断はダンナにさせてしまいたい。

ダンナは呆気なく「地ビール、飲むか」と言ったので、これにて確定、大きなイレギュラーがダンナによって発生したというシナリオができあがる。

ビールが2本空き、果実酒を飲み、ワインのボトルが空く頃にはもういい時間であった。

今寝ておけば翌日にもさほど響くまい、という、ぽ子的にはラストチャンスの気づきである。ここを無視すれば、恐らくタガが外れ、開き直り、限界まで飲んでしまうだろう。

寝るのは惜しかったが、今週は月曜日も二日酔いで死んでいたのだ、これ以上平日を無駄にしたくない。夕食の片付けに取り掛かる。

要は、皿を洗ったり鍋を洗ったり残り物をタッパーに移したりする訳で、楽しい仕事ではない。飲んでやるに越したことはないと思いつき、果実酒の残りを全部グラスにあけた。

ちなみにこれは、キーボード弾きの果実酒使いからの頂き物で、自家製のライム酒であった。ライムの爽やかさとほろ苦さが絶妙な、大人の味だ。

何だか割って飲むのはもったいない気がして、ロックで飲むことにした。この方が、より果実感が上がり、旨みをダイレクトに味わうことができるのだ。カルピスの原液とは訳が違うぞ。

これを飲みつつキッチンを片付けると、そこにはキウイ12個が残された。

しまった、人の果実酒を飲んでいる場合ではない、私もコイツを漬けようと思っていたのではないか。

これは昨日、値下げ品の「持ってけドロボー」的売り場から衝動的に買ったもので、4個入って120円というバカ安キウイであった。

果実酒用のホワイトリカーがまだ余っていたので、それを3パック買って帰ってきたのであった。

結果的には酒が足らず、ぶー子に買いに行かせたら、いつもの倍額のホワイトリカーを買ってきよった。キウイとのトータルでも高くついてしまった(笑)

で、そのキウイが流しに残っているのである。

叩き売り状態のキウイである、恐らく超熟、一刻の猶予もなかろう。

私の過去の果実酒の失敗は、「買ってから果物を放置しすぎた」点も否めないのである。

やるしかない。

観念して皮をむき、重さを量って容器に入れていく。

酔っていたので作業自体は面倒ではなかった。

ふたつのキウイ酒の瓶を流しの下にしまい、歯を磨いていよいよ寝ようと思ってまたひとつ、思い出した。

つけっぱなしのテレビ画面は、ゲームが一時停止の状態で止まっていたのであった。

そうだった、ゲームやってる途中でダンナが帰ってきたから、ポーズをかけておいたのである。寝るならキリのいいところまでやってセーブするか、ここまでの分をチャラにして切ってしまうかである。

もちろんゲーマーとして後者はありえないので、続きをやることになる。

バカバカしい話だが、私はその時、非常に高度な裏技に挑んでいたのだった。

時間をかけてその状態にまでこぎつけたのだ、酔ってこの努力を無駄にしたくはない。

しかしこの裏技完遂までには、上手くいってもあと数時間はかかると思われた。

何でそんなものに手をつけてしまったのかというと、「どうせできるわけがない」とタカをくくっていたのであった。

ところがなかなかいい調子で進んでしまい、すぐに諦めることになるはずが、終わるに終われないという状態になっていたのである。

心配には及ばなかった。ポーズを解除してすぐに失敗をし、裏技完遂の夢はついえた。

せっかくここまでやったのに、という思いと、これで寝れるという思いが錯綜し、複雑な気分である。

ゲームを終えてゲーム機の電源を落とす前に、「YouTubeを見る」という文字が目に入った。

そうだった、PS3ではYouTubeが見れるのだ。

パソコンよりも大きな画面で、音質もいいのである。

どれどれ。

・・・という訳で、寝坊した。

もうこういう事は、一年に一度ぐらいになりたい。