人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

欲望の池袋

350ml缶の発泡酒1本、500mlのサワー缶2本。

今、気に入ってるのはサントリーの「ストロングゼロ」というアルコールの高めのものだが、それにしてもあれしきで、というのが素直な感想である。

ヘロヘロに酔ってバタンキューの金曜日。

酒の量も経過も、水曜日とほとんど同じである。

今日は高尾山に行く予定であった。

正確に言うと、「ビヤガーデンに行くが、たまたまそこが高尾山だった」ということで、メインはビヤガーデンだ。

しかし私は朝、目が覚めても起きないで、ずっとあることを考えていた。

考えていた、というか、想っていた、という方が近い。

恋人を想う気持ち、そんな感じだ。

そんな時に、ダンナが猫のご飯を持って寝室に入ってきたのだった。

「ねー、私もうとっくに起きてたよ。起きてずっと考えてたんだよ。何の事だかわかる?」

私はダンナに聞いてみた。

きっと分かるだろう。

それを見越してわざわざ聞いているのだ。

届け、私の想い。

「・・・・・・ペンタックス・・・。」

ダンナも確信したように、呆れて言った。

今私の心を奪っているのは、ペンタックスの一眼レフである。

ダンナは「そんな事を言われても仕方がない」というような感じでそれ以上何も言わずに、サッサと寝室を出て行った。

仕方ないのだ。

発売日は来月だし、できれば値段が落ちるのを待ちたい。

くそー、朝から「仕方ない」か。

しぶしぶ起きる。支度をしなくては。

ビヤガーデンだが、プチ登山でもある。

毎度ジーンズを穿いて行って、後悔してたんだった。

何を着ていくか。

短パンにレギンスの組み合わせを持ってリビングに下りると、「高尾山を明日かあさってにして今日カメラを買えば、高尾山に新しいカメラを持って行けるよ。」とダンナが言った。

ちょっとややこしい話なのだが、実は欲しいカメラについて、私達の気持ちは食い違っていた。

来月発売なのは私の欲しいカメラなのだが、安い買い物じゃないのだ、お互いに欲しいものを自腹で買えばいいじゃないか、と言っていたのだ。

ただ、ダンナ自身は別にカメラなんかなくてもいいと言っていたのだが、嫌いではないはずのだ。

デザイン系の学校を出ているので必修でカメラの授業があったらしく、私よりも知識はずっとたくさんあるし、クリエイティブな事は好きな人である。

もしダンナも買うなら、私は年末に値段が落ちるまで我慢するつもりでいた。

それまではダンナが買ったのを横から使わせてもらえればいい。

「買うの!?いいの!?」と聞くと、まぁ仕方ねぇな、という感じで頷いた。

高尾山、延期。

池袋に変更。

久しぶりだ。

最後に来たのはいつだろう??

リッケンバッカーを探してた時か。

オンラインゲームをやるためにパソコンを買い足した時か。

ああ、池袋とは私の欲望の象徴である。

「私もお金出すから」というセリフで強引に購入を繰り返しているが、どうりで金が全然貯まらない訳である。

そして、今回も欲望を満たして来たのであった。

マルチ商法か新興宗教の勧誘のように、最後にはマックでダンナを追いつめた。

まぁ要は、無駄にしなければいいのである。

楽しめばいいのである。

ここから先はダンナの自己責任だ。

なんて言うとバチが当たりそうなので、ここは素直に感謝しておく。

私には本命が来るまでのつなぎである。

つなぎと言っても新しいカメラが我が家に来たのだ。

帰るなり充電し、今はそれが終わるのを待っている。

これは素晴らしい日だ、とシャンパンで乾杯したが、もうぽ子はヘロヘロである。

今日の記事の文章も心配だが、もっと心配なのは明日の高尾山である。

あかん、今夜もやってもーたEE:AEB64