残業だった。
早出で残業をしたので、過去最長の労働時間となった。
ぽ子は結構、残業は好きである。
一つの目標に向かって、みんなで力を合わせる。
自分の力が必要とされている場所があることは、ありがたい事である。
なので、時間が遅くなってしまったが、結構気持ちよく家に向かっていた。10時半。
ダンナはもう帰っていた。
娘ぶー子の靴もあった。
遅くなってごめん、と謝ってから、気になっていた事を聞いた。
「ぶー子から着信あったみたいなんだけど、何か言ってなかった?」
携帯には、9時過ぎにぶー子からの着信記録が残っていた。
「え?何も言ってなかったけど・・・。もしかしたら・・・。」
もしかしたら、ぽ子の会社の前を通ったら真っ暗で自転車もなかったって言ってたから、それで電話したんじゃない?
ん?
や、仕事してましたよ。
真っ暗だったのは、他の部署はもうとっくに帰っていたからであって、2階の奥の私の部署には明かりがついていたはずである。
自転車は、今日に限って置く場所がなかったから、バイク置き場の方に置いたのだ。
もしかして・・・、疑ってるんじゃないでしょうね、私の残業。
「あの、あの、、本当に残業してたんだけど、電気は、自転車は、・・・。」
言えば言うほど怪しい言い訳に聞こえる気がしてくる。
「いや、俺は別になにも、ただぶー子がそう言ってたって・・・。」
「あの、本当に、信じて~!!」怪しい。
「分かってるよ!!」
仮に疑われてるとしても、それはそういう人間だと見られているのだから、普段の行いが悪いと言うことだと思う。
こういうとき私は結構諦めてしまう方なのだが、ここまで働いて疑われるのはさすがにイヤである。
ところで私は今日、「可愛い系」という香りのスプレーを体に吹き付けてあった。
会社で上司グッティ氏に「ぽ子さん、猫臭い!」と言われたから、速攻コンビニでスプレーを買ったのだが、もしかしたらこれも残業を疑わしくしているしているんじゃないか?
空腹も通り越していたし、ご飯の前に急いでブログの更新作業に入りたかったが、これじゃまるで、香水つけて外で食事してきたみたいじゃないか?
まず風呂に入りたいのだが、うわー、何だか「怪しい匂い」を消そうとしているみたいだ。
石鹸がない、新しいの出す、よりによってハート型、ぽ子、お前、浮気してるんじゃ・・・。
誰も何も言ってはいない。
しかし私はひとりでジタバタしていた。
自分に自信がないので、こういう時に胸を張れないのだ。
明日タイムカードを写メって送ろうかとも考えたが、そんな事をすると必死っぽさが出て、ますます怪しくなりそうな気がする。
あのー、すいません、本当に残業してましたEE:AEACB
・・・きっと誰も疑ってなどいないのだろうが。