「おめでとうございました!!」
廊下をすれ違いざまに、猟団仲間の豪腕が声をかけてきた。
「昨日、倒したんだって?」
仕事場に入れば猟団長が言う。
青春学園ドラマで、悪党を倒した目立たない主人公のような気持ちである。
そう、倒したのだ。
ついに、というかまさか倒せるとは思っていなかったが、クシャを倒したのだ、さとちゃんとふたりで。
正確に言うと、下位クシャでラスタふたり付きだったが、それでも私たちには大きな進歩である。
会社の豪腕ズと回るときは、ただひっついているだけである。
そのくせ良く死ぬので肩身が狭いのだが、時々さとちゃんと腕試しクエに出るようにしている。
昨日は久しぶりにふたりで回っていたのだが、まず上位フルフルを倒して調子付いた。(ぽ子の2死アリEE:AEAC5)
フルフルで限界かと言う感じだったが、欲しい素材がもう強い敵しかないのだ。
じゃあちょっと行ってみるか、と軽い気持ちであった。
ダメもとである。
出るなり「ヤバい、これはまた3死だ」と直感した。
もう攻撃の仕方がダントツ容赦ないのだ。
真面目に、生きているのが精一杯であった。
止まればやられる、寄ればやられる、恐ろしくて手も足も出ない。
しかし少ない1発でも入れていかなくては終わらないのだ。
閃光玉はすぐになくなった。
飛ばれて厄介だったが、そのうち「飛んだクシャの真下」が案外安全だと言うことが分かってきた。
太刀だったのでそこそこリーチはある。
丁寧に回復した。
フルフル戦でムチャして死んだ戒めだ。
「もう1回」「もう少しだけ」、私の死因の多くはここにあった。
今さらだが、ムチャクチャに振り回すのも止めた。
手数を減らしてでも正確に入れるようにする。
もちろんさとちゃんの努力も素晴らしいものがあっただろう。
私はかなり慎重になっていたので、攻撃は彼女に頼る形になっていたはずだ。
ここ数週間のさとちゃんの成長ぶりは凄まじく、もう私の中では豪腕ズと変わらないポジションに行ってしまった感がある。
30分の死闘の末、勝ち取った勝利。
報酬が、本当の「報酬」としての意味を持った。
いや~~、次の敵は誰だ?
さとちゃんと深夜のキャラバン。
