東村山のカレーで検索すると時々出てくる「タージ」。
かなり評判のいい店だが、残念ながらもう閉店してしまった店であった。
しかし時々1日限定で復活しているのだ。
情報源が少ないので毎回逃して涙を飲んでいたが、偶然今回の開催を知ったのだ。
それはなんと今日であった。
ところが完全予約制で、締め切りは過ぎていた。
ダメもとで電話をしてみると、快く受けてくれた。
今日の今日なのに、有難い話である。
場所は「中山みどりアートハウス」で、ピアノの演奏会とのコラボであった。
私達の目的はカレーだったので演奏が終わった頃に行ったのだが、行ってみたらそこは普通の一軒家であった。
インターホンを鳴らすべきかどうか悩んでいたら、扉の方が開いて中から男性が「どうぞ!」と招き入れてくれた。
入ってみて分かったが、「カレー屋タージの復活企画」というよりも、内輪の集まりに近かった。
それは悪い意味ではない。
スタッフは親しげに話しかけてくれ、中のギャラリーを案内してくれたり、手が空いた時には気軽に声をかけたりしてくれた。
客ではないのだ。
「ぽ子さん」と名前で呼んでくれる。
私が選んだメニューは、中で一番辛い「インドカレー」だ。
辛いのが好きなので辛さで選んでしまった。
まずはサラダのディッシュ。
小さいものだが、グリーンのサラダにポテトサラダ。
グリーンは火が通っていて甘みがあり、サウザンのドレッシングが合う。
ポテトサラダも手作り感があっておいしい。
カレーは確かに辛かったが、ほんのりとした甘みも併せ持っていて深みがある。
スパイスの風味も高く絶品。
具がチキンだけなのは物足りないが、そのお陰でカレーの良さがダイレクトに伝わってくる。
ちなみに他のカレーはもっと具沢山である。
ライスがちょっと水っぽかったが、こういった企画ものなのでそこまで品質を求める気はない。
だいたい水だって紙コップなのだ。
店で食べるのとは違う。
インドカレーを食べていたからか、マスターが現れ、「辛さは大丈夫ですか?」と声を掛けてくれた。
別に辛さに強いのは何の自慢にもならないが、辛さの耐性には自信があるので大丈夫だ。
平気だと答えると、「もっと辛いの作れますよ。これの10倍ぐらいの。」と面白そうにマスターは言った。
じゃあちょっと食べてみようか、と言う事になった。
ちなみに私が今まで食べた料理で一番辛かったのは、ラーメン屋の中本の北極だが、食べれないことはなかった。
スープだって飲んだし、おいしかった。
経験した辛さのMAXは、輸入品の「サドンデスソース」とかいう、タバスコのような香辛料がダントツだった。
もういても立ってもいられない辛さだ。
罰ゲーム以外の使い道はあり得ない。
ところでマスターはこれから出す辛いカレーについて(名前は失念)、店では30分以内に食べたら無料にしていたこと、過去に救急車で運ばれた人が3人いた事を前置きした。
これは挑戦である。
緊張したが、救急車の3人は辛いものの免疫がない人だったらしいので、「ぽ子なら大丈夫だよ。」とダンナは涼しい顔をして言った。
私もあまり不安はなかった。
小さめの皿に入ったそれは、カレーのソースというよりペーストに近い硬めのものだ。
一口食べると大した辛さではない。
唐辛子のカレーペースト、という感じだ。
マスターは「コツは味わわないで一気にいく事」と言った。
なので余裕はあったがパクパクパクとソースを多めに口にかっ込んだ。
あれ?ちょっと辛くなってきたかな?と思ったが、手を止めずにどんどん食べた。
辛い。
辛いがいける辛さだ。一気に行ってまえ。
(涙)
そしてそれは突然やってきた。
辛い!!
猛烈に辛い、超辛い、ムチャクチャ辛い~~~!!
涙が出た。
毛穴が開いて汗が噴き出した。
頭がクラクラした。
こんな事は初めてである。
食べなくてはと思い、それでもスプーンを口に運んだが、一度この辛さを認知してしまうと次の一口も地獄である。
頑張って2、3口食べたが「もう無理!!」と言って涙目でギブアップだ。
こんな経験は初めてだ。
繰り返すが私は辛さには強いと自負している。
しかしこのカレーは想像を絶する辛さであった。
あの辛さ・・・、あんなクラクラする状態は初めての経験だ。
参った。
完敗である。
もったいないので残りを持ち帰らせてもらったが、そんな無理を聞いてくれたり、この激辛の分はサービスしてくれたりで大変申し訳なかった。
激辛にはチキンまで入っていたのだ。
アットホームな雰囲気につい長居をしてしまった。
次は半年後とのことだが、次回はぜひ演奏会から行こうと思っている。
ぽ子評価です。5段階で、
味:「5」。
量:「3」。
価格:「2」。
総評:高く感じるが、演奏会やギャラリーなどの入場を思えば「4」。
「インドカレー」 サラダ、ドリンクつき 1500円
先に出たサラダ。おいしい。
シンプルなインドカレーは、ソースの旨みがダイレクトに伝わる。
ダンナの食べたマドラスカレー。
辛さも充分、具沢山でおいしい!!らしい。
恐怖の辛いやつ。
この世のものとは思えない辛さ。