もう平日の夜、飲むのは止めると決めたのだった。
平日と言っても休前日は除くから、祭日がなければ月曜から木曜の４日間である。
ここで４日休肝日をとっても、その後に飲めるだけの酒を３日間にわたり飲み続けるのだ。
休肝日を１日でも減らしてしまえば、飲む日がそれを越えてしまう。
飲んだって楽しいのはその場だけで、しかもそれはアルコールによる薬物作用である。
目が覚めてしまえば前日の楽しみなど嘘で、自分ひとりで舞い上がって恥をかいていただけなのだ。
わかっちゃいるけど、だからといってじゃあ止めようという気持ちにならないのが薬物の恐ろしさである。
しかも酒は合法なのだ。
嘘も恥も分かっている。
夢を見たいのだ。
しかし夢の代償は大きい。
飲んだ量にもよるが、翌日は台無しである。
月曜は週初めでかったるくて動かない、残り４日の平日に１日でも二日酔いがあると、私は１週間に３日しか動かない女になってしまうのだ。
んんっ？３日？結構動いてるな。
まぁ、現になっていた。
３日も動かない週もあった。
これではいけない、もうちょっと頑張って、そのご褒美が週末の酒になればいい、そう思ったのだったが。
「今週は火曜日に飲むかな。」
ダンナがそう言い出したのは今朝。
彼がいつも飲んでる明日の水曜は（そしてその誘惑に負けてぽ子も飲んでる水曜は）、ＤＶＤを観たいから飲みたくないらしい。
火曜・・・。
まだおとといアホほど飲んだばかりである。
いい機会だ、私の意志の強いところを見せてやろう。
今日なら飲まないで頑張れそうな気がする。
さて、ここまでダラダラ書いたが、もうとっくにお気づきの方はいるかもしれない。
こんなことをわざわざ書き出している理由は、やっぱり飲む事にしたからに他ならない。
言い訳をしたいのだ。
言い訳：
スーパーのお刺身がおいしそうだったからです。
買った後に激しく後悔した。
刺身が美味そうだ、ダンナが飲むそうだと言っていちいち飲んでいたら、いつまで経っても「飲まない平日」なんて来やしないだろう。
わかった、だから私はやっぱり飲むのを止める。
・・・というオチでもない。
もう体から喉から手が出ているのだ。
ここで酒を取り上げるなんてむしろ危険である。
酒っ腹とでも言えばわかるだろうか、もうそれが入る前提で体はスタンバイしているのだ。
私は嘘や裏切りは嫌いだ。
私は体に「今日は飲もうね♪」と言ってしまったのだ。
平日飲んでしまうのは嘘や裏切りにならないのか？
ならない。
なぜならそれは、ならないと言ったらならないからだ。
酒をスタンバッてる人間に難しい理屈は通らないのである。
なので難しい事はことは明日考えるようにするが、まぁ飲み過ぎなければいいのだ。
ダンナも今夜は遅いと言うのだから、そう長く飲む時間はない。
はずだったのだが。
先程メールが来た。
「帰るのは１０時半頃になるだろう。」
こういった予報は早くなって外れる事はないが、遅くなって外れるのが彼の実績である。
恐らく１１時頃か。
そしてこの「帰る」は「家に着く」ではなく「会社を出る」である。
家に着くのは１２時半というのが私の予報である。
待てない。
いや、私は明日休みだから待てはするのだが、そんな時間から飲み始めたら開き直って朝まで飲んでしまいそうだ。明日休みだからだが。
大げさではない。
自慢じゃないが、酒に飲まれるのは大の得意としている。
自分で自信がないのだ、ほどほどに飲むなんて。
つまり何が言いたいのかというと、
そろそろ飲もうかなぁ？ひと足お先に♪
という事である。
ひと足が何時間ぐらいを意味するのか相場は知らないが、これで平日の飲み納めにしようと思うから勘弁してつかぁさい。（はだしのゲン風に）
