ちょっと前に武蔵小金井から国分寺まで歩いた時に、前を通った店であった。
洒落た店だったのでよく覚えていたのだが、この店がカレー本に載っていた。
店主が辛いものが好きとのことだったので、ぜひ行ってみたいと思ったのだ。
開店は12時。
遅めの開店だが、2分ほど過ぎて顔を出すと「まだ準備中なんです。すぐ開けますので。」との事。
言い方がぶっきらぼうだったのと、「すぐ」が曖昧だったのとで、ちょっと戸惑ってしまった。
店の前で待ってていい時間なのだろうか。
つーか、すぐなら店で待たせてもらえれば有難いのだが。
ちょっと待ったが先が見えないので、中古CDの店を見て時間をつぶした。
このCDショップが面白かったので、店に戻るのが遅くなってしまった。
1時前である。
店はほぼ満席になっていた。
店のドアを開けても店員の反応は皆無、勝手に大きめのテーブルに相席してしまった。
やっと現れた店主は無言でメニューを置いたきり、キッチンから動く気配はない。
見ると、食べている客はひとりもいない。全員が「待ち」であった。
これは・・・。相当待ちそうである・・・・・・・。
カウンター越しにダンナが「カレーふたつお願いします。」と声を掛ける。
その後スプーンを持って来た時も無言でぶっきらぼうであり、正直結構気分を害していた。
30分待った。
しかし私たちが食べる頃には客も食べ終わって落ち着いてきており、余裕ができたようだ。
「お待たせしてすみません。」
本当に済まなそうに、その年配の女性店主は言った。
これである。
この一言で気が済むのだ。
むしろ、いえいえ、こっちゃ全然いいっすからゆっくりやって下さいよ。
つまり、先程のぶっきらぼう加減も歓迎しなさ加減も、単にいっぱいいっぱいだっただけなのだろう。
ちなみにこんなに忙しいのはランチタイムだからだということで、待ちたくない方はそれ以外の時間をお勧めする。
で、出てきたカレーは店構えと良く合う、しゃれた本格的なヴィジュアルであった。
スープカレーのようにサラッとしたソースに、丸くライスが盛られている。
しかしう~~~ん・・・。
確かにスパイシーではあるが、深みがないと言うか味が薄いというか、水を入れ過ぎたカルピスのようなのだ。
アッサリ好みの方にはいいかもしれないが、濃厚なものが好きなぽ子には物足りない。
しかし、中に入っていた大きなチキンは圧巻である。
柔らかく煮込まれていて、スプーンで切れるほどのものだ。
味も染みて絶品だ。
別皿で、タマネギのピクルスのようなものがついて来たが、これがとてもおいしかった。
最終的にはカレーに入れて混ぜて食べたが、いいアクセントになった。
皿が大きかったのでかなりのボリュームかと思ったが、意外と量は軽めであった。
ラッシーとのセットだったがラッシーが切れてしまったため、コーヒーになった。
しかしこのコーヒー、本格的なおいしいコーヒーだったので、コーヒー好きなぽ子は満足だ。
ところで、ひとこと言わせて頂きたいのだが。
店が忙しくて手が回らないのは仕方がない。
だが、どうも隣に座ってパソコンをいじっていた男性は、店サイドの人間らしいのだ。店内にかけるCDを操作していた。
彼はCDを動かすためには席を立つのだが、これだけ忙しい店の営業にはタッチしない。
そしてむちゃくそ腹が立ったのは、隣でタバコを吸われたことだ。
店には灰皿が置いてあるのだからそれ自体はいけない事ではないのだろうが、こっちは30分も待ってやっと出てきたカレーを食べているのだ。
その横で店サイドの人間が悠々とタバコを吸うのだから腹も立つ。
食事中の煙がどれ程不快か、考えて欲しい。
味云々の前に、もうちょっとできる事があるように思うのだが、まぁそれなりに事情があったりするのかもしれないから強く言う気はない。
ただ、純粋に客としての感想である。
ぽ子評価です。5段階で、
味:もっと煮詰まったのを食べてみたい。「3」。
量:多そうに見えて普通。チキンは凄い。「3」。
価格:ドリンクとセットなら普通かな?「3」。
総評:「3」。
とてもお洒落な店だったので、夜、落ち着いた時間帯に飲みながらカレーを待つのがいいかも。
「スパイシー・チキンカレーセット」 850円
コーヒーと、おいしいタマネギのピクルス、撮り忘れです。
どちらもとても美味しかった。