人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

鬼ごっこ

寝坊だ。

一度鳴った目覚しを布団に持ってくるという、してはいけない事をやってしまった。

しかし無意識であった。

気がついたら布団の上にあり、気がついたらそいつはすでに何度もスヌーズを鳴らした後であった。

私は目覚しには気付かずに、いや、気付いて消した瞬間に忘れ、それを数回繰り返した頃にダンナが着替えに入って来た。

私が気が付いたのはその時であった。

ごめん、今すぐ、とキッチンに向かおうとしたら、「もう食べたからいいよ」と言われてしまった。

何を食べたのだろう。

私の勘だとご飯に梅干オンリーだが、本当にそうだった。正確にいうと、+インスタントみそ汁だが。

もう食べたからいいと言われ、それは「寝ていい」と歪んで捉え、私は再び布団に戻った。

昨日の夜の記憶がない。

そんなに飲んだつもりはなかったが、夜更かししてしまったのだろうか。

次の目覚しは7時半で、娘ぶー子の朝である。

ぶー子が起きる時間と同時なので当然朝ご飯は遅くなるだろうが、それより早いと寝る時間がほとんどないのだ。

どうせぶー子も5分10分遅れてくるのだ。

私はギリギリまで寝る。

7時半にぶー子を起こしに行くと、「今日は3時間目からだから」と、布団の中でピクリとも動かなかった。

そうか、じゃあ私も寝る。

しかしだ。

今日は歯医者の日なので、仕事が午前出勤である。

8時43分に家を出るのだが、起きたのは8時半であった。

起きて15分で、自転車を鬼こぎだ。

まだ半分寝ているような状態だったが、ここで時間を短縮しないと遅刻してしまう。

フワフワと夢見心地で、何かいけない薬でもやっている感じであった。

昼休みは家に戻り、ご飯を食べて職場に帰るのだが、今日はそのまま歯医者に行ける様に準備をしなくてはならなくなった。

仕事が忙しかったのだ。

鍋に湯を沸かしながら着替える。

麺を入れたらその間に猫のご飯。

バッグを出したりしていたら茹で過ぎた。

フヨフヨのサッポロ一番みそラーメンぽ子スペシャルを、広げた新聞の上に乗せる。

左のページの人生相談を見ながら麺を箸で掴んだその時、視界の左端に見えてしまった。

それは、見てしまったからにはそのまま放置できないものである。

ラーメンを目の前にしてエルのうんこっこを始末する。

時間はどんどんなくなっていく。

ハフハフとラーメンを食べると、メールのやりとり、歯磨きグッズなど持ち物の準備に追われ、結局今度も自転車の鬼こぎである。

仕事が始まったら、今度は睡魔との戦いである。

忙しい一日だ。

仕事がつまっていたので、予定より一時間延長してから上がる。

その分今度は駅まで自転車の鬼こぎである。

いつもより1本遅い電車になってしまった。

各駅停車なので余裕で座れたが、今度はまた睡魔との戦いだ。

上石神井からのバスでも、終点の西荻に着く直前で寝てしまった。

あと10分。

急ぎ足で歯医者に向かう。

着いたらまだ前の患者さんがいたので時間に余裕はあったが、歯を磨いていないのだ。

トイレで急いで歯を磨く。

いつもお湯で口をゆすいでいる私には、水が冷たかった。

歯医者が終わると家で待っているぶー子から何度も「まだ~~??」「今どこ??」とメールで煽られる。

実はダンナと待ち合わせてカレーを食べて帰ったのだが、あんまり待っているようなので、ついにその事実を言えなかった。

なので、家に帰ってからもそ知らぬ顔をしてカレーを食べた。

腹一杯だ。

酒もまた飲み続けているので、いい加減おいしくもない。

しかし金曜日なのだ。

眠いが頑張って飲もうと思う。

苦しい。

ダイエットも酒を控えるのも、来週からにする。