今日返すと言うのだ。
遅くとも今日、娘ぶー子が学校に行くまでに観なくてはならない。
「SAW5」という映画のDVDを、ぶー子が友達から借りてきていたのだ。
なので昨日の昼にみんなで観たのだが、私だけ途中から寝てしまった。
お腹は昼に食べた油そばでフル、日曜の午後である。
なんで他のみんなは寝なかったのかと不思議でしょうがないが、とにかく私だけ観れなかったのだ。
返却時間は迫ってくる。
しかし昨日は、世間ではおやつを食べる時間から飲み始めてしまったので、夜にはもう酔っ払って眠くなってしまった。
決めた。
一度寝てから夜中に観る事にしよう。
私は目覚しを3時に合わせ、布団に入ってグッスリ寝てしまった。
目が覚めたのは12時半であった。
案外早く勝手に目が覚めたのだ。
よしよし、ならば早速ノルマを果たすとしよう。
・・・と思ったのだが、こんな時間にDVDを観たらすっかり目は覚めてしまうだろう。
私が観損ねたのはどれぐらいかわからないが、長くみて2時間だとすると、終るのが2時半である。
そんな時間に眠れなくなったら朝までが長すぎるし、そのとばっちりで午前中寝て終ってしまいそうだ。
今ならまだ寝れる。
私は3時の目覚し目指して、再び眠りに落ちた。
3時。
もう8時には寝ていたので非常に良く眠った気分だ。
頭もスッキリ、これなら何時間だって観れるぞ。
布団から体を起こしてグーッと伸びてみたが、午前3時、あたりは静まり返っている。
もちろんダンナもぶー子も寝ている。
私は一人で映画の続きを観る事になるのだが、「SAW5」である。
恐ろしいスプラッター映画だ。
分かってはいたが、私が怖いのはオバケである。
血とか首チョンパだとかは気持ち悪いが怖くはない。
SAWシリーズには殺人鬼は出て来るがオバケは出ない。
だから平気だと思ったのだが、午前3時には午前3時の空気があるのだ。
私は忘れていた。
このような人の死を見世物にするような映画を観ていたら、悪いレイが(怖いので漢字変換はご勘弁下さい)集まってくるかもしれない。
もしかして私が映画を観ているその後ろにはたくさんの・・・、・・・・・。
いやいや、たかが首チョンパ、
でもこんな時間には何かが・・・、
葛藤があったが恐怖が勝った。
携帯のメールを見ると、ぶー子が学校に行くのは朝の8時を過ぎそうだ。
なら6時に観ても間に合うだろう。
私は3たび布団に入ると、性懲りも無く6時まで寝ていた。
雨戸が閉まっているので部屋はまだ真っ暗だ。
普段DVDの操作を全くと言っていいほどしないので、ボタンが良く分からない。
試行錯誤しながら早送りのボタンを探し出したが、どこから観たらいいのかがわからない。
私はある時間にスパッと寝た訳ではないのだ。
「ヤバいもう寝ちゃうかも・・・。」
「ハッ、もしかして今寝た?」
「・・・何この場面?」
なんて言うイントロダクションを繰り返したのちの爆睡である。
しかしもう面倒なので、イントロダクションは捨てた。
「確実にこの場面はわからない」というところからだ。
太った男が有刺鉄線でグルグルに巻かれている。
「生き延びたければ血を流せ。」
そう言われ、彼は、ウッ。
「・・・おはよう・・・。」
ダンナがボサボサの頭で立っていた。
そうだった、世間では朝なのだ。
一日の始まり、そして今日は1週間の始まりでもある。
こうして私は6時に気持ち良く目覚め、電ノコで手を切ったり迫り来る壁に潰されて圧死したりする映画を観てから出勤した。
月曜だと言うのになぜかテンションが高く、訝しがられたぽ子であった。