朝の7時半に家を出て、夜の10時半に帰って来た。
眠い。疲れた。
今日もオープンキャンパスである。
学食はカレーを食べた。
長い時間をかけて、私もぶー子を尊重できるようになってきた。
嫌でもそんな気持ちにならざるを得ない、それほどマイペースのぶー子である。
そろそろ私の手で引っ張ったり押したりする事は止めにしなくてはならない。
これは一週間ほど前の記事だが、今日は早速娘ぶー子を引っ張り、どつき回してしまった。
落ち着いたと思った進路問題が、また暗礁に乗り上げてしまったのだ。
結局以前の言葉は、ちょっと安心したから出ただけだったのか。
今は本人もナーバスになっているのでここで詳しい事を書くことはしないが、私も個人的に色々な事が重なって、正直かなり参っている。
しかしオープンキャンパスは楽しかった。
モデルハウスの見学のようなものだ。
「ぜひ購入していただきたい」
「ぜひ入学していただきたい」
安い買い物ではない。
非常に歓迎され、手厚くもてなされる。
それに、高校を途中で辞めたぽ子には、キャンパスや授業はとても刺激的である。
もっとないのか、オープンキャンパス。
帰りに吉祥寺でダンナと落ち合って、食事をした。
先週行った時に、今週食べ物が半額になる洒落た飲み屋を見つけて、それを目当てにまた来たのだ。
しかしだ。
半額→安い→チャンスだ→行こう。
そう思うのはみんな一緒である。混んでいた。
待たずに座れたのでラッキーと思ったが、ここから食べるまでがムチャクチャ長かった。
食べ物や飲み物が途切れるたびに「またか」とイライラし、せっかくの食事が台無しだ。
半額とはつまりそう言うことだ。
滞りなく食べたければ、正規の値段の日に行くべし、ぽ子ファミリーよ。
ぶー子はショッピングをしたいと言い出した。
この時間の止まった飲み屋にたどり着くまでも、何度もそれで足止めを食っていた。
ぽ子は疲れていた。
できればサッサと帰りたかったのだが、大学の最寄り駅で買い物したいと言っていたぶー子を、どつき回してそれをさせなかったのだ。
気の毒だったので、ぶー子の後をついて行く事にした。
しかし歩き出してすぐに、ダンナが「トイレに行きたい」と言い出した。
ちょうどパルコの横を通っていたので、入る事にした。
パルコは高い。
パルコは大人の店である。
ぶー子は大した感心を示さなかったのでここの観光は免れると安心していたら、エレベーターの足元に、「6F Village Vanguard 」のステッカーがところどころ貼られているのを見つけてしまった。
「どうかあの人に気付かないで」とか何とかいう古い歌があったような気がしたが、そんな気持ちであった。
しかし得てして気付いてしまうのである。
「おっ、ヴィレッジヴァンガード(もちろんビレッジバンガード、と発音した。日本人である)がある!6階行こう!!」ぶー子の声が弾む。
しかしだ。
実は先週来た時に私は別の場所でこの店の看板を見た。
確か6階などまで上がることはなかったはずだ。駅に戻る途中だ。
そっちの方が通り道だし、6階くんだりまで上がらずに済む。
・・・と言ってそっちにみんなを導いた。
「ホントかよ」とみんなの反応は冷たかったが、私は確かに見たのだ。白い壁に青いロゴ。間違いない。
グルグルと迷った挙句に見つけたその看板は、パルコの裏の入り口であった。もちろん6Fと書いてあった。
皆あきれたが、悲しいのは「どうせこんな事だろうと思った」と大して怒らなかった事だ。
かくして6階のヴィレッジ・ヴァンガ-ドへ向かった。
で、最後まで店を見て「もう行くよ」と声をかけられたのは私であった。
本当に、おもちゃ箱をひっくり返したようなこの店が好きである。
もともと時間が遅かったので、店はあらかた閉まってしまった。
電車は人身事故で遅れており、バスで帰って来た。
疲れに弱いぶー子は不機嫌そうに「寝る、お疲れ」と言い捨てて、サッサと部屋に戻って行った。
疲れた。
「母ぽ子」、「娘ぽ子」、「社会人ぽ子」も疲れている。
しかし「妻ぽ子」が疲れていないという事はどういう事だ?
「夫ダンナ」の疲れが気になるところである。