人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ぽ子の誇り

「ぽ子さん、この間着てたあの服・・・。」

職場で仕事中だ。

簡単な手作業なので、どうしても口の方も良く動いてしまう。

で、あの服とは、先週の木曜日の午後に来ていた服の事であった。

仕事場から直接歯医者に行く事になり、昼休みに家に戻って着替えてきたのだ。

よそいきとまでは言わないが、Tシャツジーパンは嫌だったのだ、歯医者。

その服は襟が2重になっていて、フチにワイヤーが入っている。

胸元が大きく開いており、上から作業着を着る段階になって困ってしまった。

上のほうのボタンが締まらないのだ。

仕方なく上のボタンを2つ開け、中からそのデカい2枚の襟を立たせて出した。

変な格好である。

「その格好・・・。」案の定、みんながニヤニヤとこっちをみた。

「コスプレみたいだ。」ハイ、FF8のイデア状態です。

この服はもう職場には着て来れない。

で、冒頭の「「ぽ子さん、この間着てたあの服・・・。」だが、あの服とはこの服のことで、彼女はこう続けた。

「あの服、すごく高かったでしょ。私、見たよ。」

え?

「何?どんな服??」

あの服を見てない周りのみんなは興味津々である。

「え、安かったですよ、私、高い服なんて買いません。」

本当なのだ。

私は高い服など買わないし、実際あの服は安かった。

「ええ~~!?5千いくらとか書いてあったよ。それでも値引きしてあったから、本当はもっと高かったはずだよ。」

本当じゃありません。それはどこか間違ってます。

だって、私、あの服・・・。

「そんなはずないよ、ペナペナの安い服だし・・・。」

「私もあんなに高いとは思わなかったけど、でも値札に書いてあったよ!!」

「だって私、あの服、・・・・・・・400円で・・・。

「よ、400円・・・。」

周りは爆笑である。

「しかも『難あり品』です・・・。」

さらに笑わせてしまった。

最初から400円の服だとわかっていれば、「お買い得だね」で済んだものを、5千円だとか高いだとか言うから、何だか恥ずかしい結果になってしまった。

安くなければ服ではない。

靴もアクセサリーも然り。

ファッションセンターしまむらをナメんなよ。

ちなみにあの服はしまむら出身ではなく、難あり品ばかりを取り揃えたもっと安い店で買った。

誇らしく思っていたのだが。

5千円の服を買うぐらいなら、400円の難あり品を買い、残った金でラーメン7杯食べる方が幸せなのだ。

明日も歯医者だ。

Tシャツジーパンではないが、安い服を着て行く予定だ。