ショッピングの巻。
今日も歯医者だった。
嫌がる気持ちと戦って、糸ようじや歯間ブラシを使った甲斐があって、歯茎が良くなってきたと褒められた。
これまで痛い痛いと言ってばかりで手を焼かせていたが、初めて褒められたのである。
満更でもない。
これからも頑張って歯茎をしごいてやろう。
今日の歯医者の時間は、いつもより30分早かった。
仕事があったのでむちゃくちゃハードである。
その上、やはり仕事に行っているダンナとの待ち合わせまでの時間が余ってしまった。
なので、お使いを頼まれた。
伊勢丹で商品券を買い、九州に送ること。
ダンナのお父さんの誕生日だ。もう毎年、決まっている。
なので、治療が終わると(痛かった)西荻から新宿に向かう。
ボケェ~~~ッと中央線のつり革につかまっていると、車内のテレビで簡単なスバケッティの作り方を流していた。
生クリームにイカの塩辛を入れて混ぜ、そこにゆでたパスタを入れるのだ。
仕上げに万能ネギと黒こしょう。
凄い簡単だが、生クリームに塩辛??
近いうちに試して、報告しようと思う。
それには生クリームの半額待ちだ。
半額。
伊勢丹で商品券の手配を済ますと、ブラブラと商品を眺めながら地下に向かった。
私はデパートなどでは買い物はしないので、その高価な商品を見て目を見張った。
まず陳列からして近所のスーパーと違うのだが、美しいグラスが、テーブルウエアが、枕が、タオルが、まるで美術館のように置いてあるのだ。
私は買い物客としてではなく、芸術品を堪能するように眺めて歩いた。
買うなんて、めっそうもない。
そんな日が来るとしたら、それは宝くじに当たった時だ。
そして私はケチなのでギャンブルはしないから、永遠にその日は来ない。
しかし、いざ地下に来ると、私は一線を越えた。
400円。これならぽ子のおこづかいで買える。
ケーキであった。
私は甘いものを好んで食べる事はあまりないが、そんな私の心をも動かしたのだ、伊勢丹の地下のケーキ屋が。
だいたいこれも、近所で売ってるようなものではないのだ。
見たこともないようなものばかりだ。
私は3つ、中から選んで頼むと、「冷蔵庫に入れるまでどれぐらいかかりますでしょうか?」と聞かれた。
冷蔵庫?あの汚いやつ??
ここから電車とバスと自転車で1時間半。
その前にラーメン食べに四ツ谷までいく。
その前にダンナの仕事はいつ終わるんだ?
「2時間はかかると思います。」と言うと彼女は顔を曇らせて、「申し訳ございません。2時間と言いますと、保冷剤を入れても商品がもたないのですが・・・。」と答えた。
ガーン。
ケチぽ子が1200円も出してケーキを買おうと思ったのに。
食えないと思うとなお美味そうに見えるから悔しい。
仕方なく諦めたが、収まりがつかないので、ケーキの名前をダンナの携帯に送っておいた。
気が利く人間なら、月曜日に買って帰って来るだろう。
ダンナから連絡はまだない。私は急ぎ足でサブナードに向かう。
買い物だ!!
買い物だ!!
前にここに来たのは10日前なのだが、夏物がバカ安になっていたのだ。
あの時は時間がなかったから見れなかったが、今日、この隙に!!
食品なら半額、洋服もシーズンの終わりに安くなった物を買う。
ぽ子式ケチ買い物法だ。
食べ物なんてちょっとぐらい古くたってすぐ食べればいいし、腹の方も慣れてくるものだ。
服も来年用だと思えばいいのである。
しかしサブナードに行ってみると、すっかり様変わりしていた。
あれだけ店頭に出ていた値下げ品はなくなり、秋ものが並べられていた。
どこを見ても「NewArrival」、新作ばかりである。
ハッ、そういえば今日は何日だ?
しまった、暦はもう9月になっていたか。
諦めがつかず、かわいい服が目に付くとつい店に入ってしまうのだが、そこで私は発見した。
地味にあったのだ、夏物の値下げ品が、店の奥に。
それを見つけたら私は、気になる店全てに入り、奥まで舐めるように見て回った。
あるある(笑)
しかし、あるにはあるが、値下げ品というより、もう「売れ残り」である。
誰にも見向きもされなかったものだけが、安い値札をつけられて店の奥にたたずんでいるのだ。
哀れだが、みんなが「欲しくない」と判断した服だ。
いくら安いからと言っても、私ですら買う気になれないものばかりであった。
遅かったのだ。
結局500円でタオル地のつなぎだけを買った。
つなぎと言っても下は超短パンで、色はピンクの横縞である。
そしてノースリーブのパーカーだ。
40女には着れるものではない。パジャマにする。
納得いかないのでPEPEまで足を伸ばしたのだが、ここは値下げの時期も早かったせいか、とりつく島もなかった。
戦利品、500円のパジャマ。
次のチャンスは冬の終わりだ。
秋の終わりもあるのだろうか?
アイシャルリターン、いつか両手一杯の買い物袋を下げて帰ってみせる。
デパートで買い物など、夢にすら見れないぽ子である。