人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

大掃除

掃除だ。

年末の大掃除はしなくても、九州が来るなら大掃除である。

九州というのはダンナの両親のことだ。

週末に九州からやってくる。

ダンナのお母さんはとてもきちんとした人で、住んでるマンションなどホテル並みにきれいにしている。

こういう人は、普通にきれいなだけではきれいと感じてはくれないだろう。

つまり、今来られると「ゴミ屋敷」と認識してしまう可能性がある。

しかし大掃除とは言っても、部分的に、という意味が含まれている。

見えるところだけきれいになっていればいいのだ。

つまり、本当の意味での「大掃除」というものは、我が家に存在しない。

風呂とトイレと玄関は必須だが、これはきれいにした後、彼らが来る前にまた汚れてしまう可能性大だ。

だからこれらはギリギリの金曜か土曜にとっておく。トリだ。

彼らが寝ることになる和室は、現在ダンナの寝室になっている。

娘ぶー子がお祭りのクジで1等をとってもらってきた、バカでかい、本当にバカでかいプーさんのぬいぐるみが置いてあるが、

「ちょっとこれ・・・。」と毎度おかあさんに嫌な顔をされている。

わかりましたよ、移動はしますが捨てませんよ、絶対。

モノトーン調にまとめた音楽室に、黄色いデブでトロい熊のプー、移動決定。

リビングの窓。

彼らは早起きである。

どんなに飲んでもちゃんと7時には起きている。

そしてまず窓を開け放つ。

一般的な爽やかな朝の光景であるが、つまりここも大掃除ポイントだ。

窓ガラスはガラスクリーナーで呆気なくきれいになるが、下の桟の部分がひどく汚れていた。

前にも猫がゲロを吐いて掃除をしたあのポイントだが、猫の毛がたまり、結露によって黒い汚れがこびりつき、近くにある猫のトイレからの砂もたまってた。

そしてこの窓辺の部分には、10cmほどの幅で人工芝が敷いてある。

ここにも猫の毛とか色んなカスが詰まっていた。

これはエルの粗相防止策だったのだが、じつはエルのトイレ事情は非常に良くなっている。

ストラバイトの治療を始めたら治ったのだ。原因はそこにあったのだろう。

だったらこの人工芝ももういらない。

この他に芝ポイントはあと4ヶ所あるが、急にきれいに元に戻ったらエルが、床におしっこをした楽しかった時代を思い出すといけないから、少しずつ撤去することにしよう。

窓ガラスを拭いたら、今度は網戸の汚れが気になってきた。

そうだった、この間彼らが来た時も、網戸の掃除したんだっけ。

九州が来ないとやらない事、多いんだなぁ。

たまに来てもらわないと、家がきれいにならないぞ。

逆を言えば、九州が来る限り年末の大掃除はしないだろう。

しかし、前回の網戸掃除を思い出してみたら、ゲンナリしてしまった。

網戸に新聞紙を貼って、掃除機でゴミを吸うのだ。めんどくせ~。

あれでも色々調べて一番楽な方法をとったはずだが。

つまりあれ以上楽はできないのか??

私は網戸をガコガコッとはずし、庭でシャワーをかけ、かるくブラシでこすった。

こっちの方が全然簡単じゃないか。

ところが外した網戸がもとに戻らない。

しまいにはガンガン殴ったが、GOD、網戸の水が、拭いたばかりの窓にはねている。

こうなると完全にもうやる気が失せる。

網戸は上の部分だけレールにひっかけ、下は最後のパンチで押し込んだ。

レールにははまっていないから、開け閉めしようとしたら外れるはずだ。

誰か早くひっかかれ。そして直すのだ。

あっという間に午前が終わった。

晩ご飯の下ごしらえをしなくてはならないが、大根がなくなっていた。

そうだ、半端に残してもしょうがないと思って、昨日強引に使い切ったんだった。

1品キャンセル。嬉しいのは何で?

しかし、仕事が終わって帰ってきたら、嬉しくなくなっていた。

腹減った・・・。

食べたかったなぁ、大根と人参の漬け物。

「おかあさん、賞味期限はおいしく食べれる期限で、消費期限はこの日までしか食べられないってことだよね?」

唐突にぶー子が聞いてきた。

どちらも正しいが、正しくもない。

「別にどっちも期限が切れても、余裕で食べれるよ。」

私はまじめに答えた。ほぼ毎日食べてるじゃないか。

しかしこの質問は、家庭科のテストの問題であった。

賞味期限について、歪んだ常識を矯正する時が来たようだ。

そして彼女は、冷蔵庫にあった消費期限の過ぎたサラダを食べなかった。

こうして自分の価値観を築いて行くのだろう。

まぁいいや、私の食いぶちが増えるだけだ。

明日は冷蔵庫の掃除をする事になるだろう。

今から恐ろしい。