人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

週末、始まる・1

今日も先週も先々週もその前の週も、大した変化はない。

ラーメン食べて寝た、ザッツオール。

昨日は仕事の後に待ち合わせて家族で飲みに行った。

「食事に行く」という名目だが、結局いつも飲み屋を選んでしまう。

娘ぶー子と駅に向かったが1時間近く早く着いたので、駅前の店でブラブラしていた。

すると「あれ?ぶー子ぉ??」。

どうやら学校の友達らしい。

二言三言言葉を交わしてすぐ別れたが、そのあと私の姿をしげしげと眺めた。

どうやら母親として人に見られた私を、採点しているらしい。

ぶー子は無言で、私の帽子を乱暴に引っ張って深くかぶらせた。

「前が見えない!!」と言ったが「カッコ悪いんだよ、何その中途半端なかぶり方は。」

それならそれで、何でもっと早く言わないのだ。

帽子をかぶってから小一時間、私はずっとカッコ悪かったのか。

それにしても前が見づらい。

しばらく顎を上げて歩いたが、もういいよ、私は38歳、高校生の子持ち女だ。

誰もカッコいい私など期待していないだろうよ。

帽子をまた元に戻す。

1軒目は初めて入った店だが、最悪だった。

具体的に書くといつまでも記憶に残ってしまうので、あえてここはスルー。

2軒目は結局いつもの「わたみん家」だ。

なんて安心できるのでしょう。

わたみん家、最高じゃ。

ここで会社のアンガ藤井からメールが来たという訳だ。

あっちはあっちで飲みに行くと言っていたが、どうやら盛り上がってきたので「合流せよ」と言うことだ。

合流したい気持ちもあるが、この状態で家族を放って飲みには行かれない。

あいまいな返事で濁していたのだが。

家に着いたらもう結構いい具合にヘロンヘロンであった。

それが昨日の記事。

もうちゃんと記事を入れる事もできなかった。

そんな時、また携帯がブルブル鳴り出した。

アンガか。さてどうした事か。

携帯を開くと電話であった。

家族以外の人間の番号が表示されるなんて、何たる驚き。

携帯を持ってダダダと2階に上がる。

「今どうしてますかぁ~~。」アンガの声だ。キーがいつもより高い。

「まだ久米川にいるよ~。」とっさにそう答えてしまった。

まだ家族で飲んでると言えば諦めると思ったのだ。

ところが彼はこう言った。

「ではこれから3人でそっちに向かいます!!」

え??

家族だぞ?

高校生の娘とサラリーマンの38歳のダンナも一緒だぞ?

「それが今、娘が進級できるか危なくてその話してて、ムチャクチャ空気重いんだけど。」

とっさに口から出てしまった。後でぶー子が非常にイヤな顔をしたが、こっちゃ必死だ。

「それならなお明るく盛り上げないと!!」ヤツも引かない。

「それでは今から久米川に向かいます!!」ちょい待ち!!久米川には誰もいないぞ。

「わかった!!そしたら落ち着いたら私がそっちに合流するから、カラオケボックスに先に行っている事!!」と秘かに自分の希望を入れつつ、誘導。

迷った。

私だって相当酔ってたし、カラオケ行きたかったし、アンガや山口クンと飲みたくもあった。

しかし、私は数年前にこうやってヘラヘラ誘われれば飲みに出るような勝手な生活をしていて、家庭が崩壊しかかったのだ。

「もうぽ子は疲れたので寝ます」というメールを送ったところから返事はなくなった。

家庭を持つとはこういう事だ。

欲張れないのだ。

2択なら迷いはない。

しかし「家庭か・職場の仲間か」との2択なら迷いはないが、

単純に「アンガ達とカラオケに行くか・行かないか」の2択なら大いに迷ってしまうのだ。

一方家庭の方は、「眠くなった」と皆サッサと寝てしまった。

あ~ぁ、行きたかったなぁ

いつまでもウジウジしながらひとりで飲んでいたのであった。