やっと起き上がったのだ。
キョーレツな風邪であった。もしかしたらインフルだったかもしれん。
何しろ最初の二日は体中が痛くてたまらず、熱も高くて苦痛がハンパじゃなかったのだ。
病院へ行こうにも正月でやってないし、まぁ放っておいても治るらしいので観念したのである。
で。
久々に風呂に入ったのだ。
風呂に入らんことなど屁でもない、むしろ楽で良かったぐらいである。
だいたい風邪引いてあんな苦しい思いしている間に風呂なんかに入るかっつーの、ただでさえダリーのに。
どうせ会う人間は、ダンナだけである。至近距離で寝ている猫も、普段と変わらぬ距離だ。
快適な風呂なしライフだったが、昨日体調がかなり良くなってきてふと風呂の存在を思い出したのであった。
さすがにそろそろ入っておかないとヤバいか。
個人的にはまだまだいけるが、周りの目というものがある。
この場合ダンナだが、いくら私の風呂嫌いを知っているとは言え、あまり軽蔑されるようなラインを越えたくはない。
「私、全然お風呂入ってない気がするけど。」
「えーっ!?入んなさいよ!?」
とまぁ、当然の流れた。
入れと言われると余計に入りたくなくなったが、全然風呂に入っていないと告白して入りなさいと言われ、それでも入らなければ最初に私が話を振った意味がなくなってしまうような気がする。
そうか、結局私は背中を押されたかっただけなのかもしれない。
入っておいて良かったよEE:AEB64大変なことになっていた。
私は風呂に入ると、まず頭を洗うようにしている。
頭を下ろして髪を全部頭上に集め、シャワーを当てていく。
違和感はあった。
ただそれが何だかまでは分からなかった。
いつもとは違う、何か弾かれる、というか、髪が髪ではない、なんというかひとつの塊のような・・・。
いつもより丹念にシャンプーをしてから、娘ぶー子が置いていった高級コンディショナーを特別に塗り込んでやることにした。
全体に行き渡らせるため、いつもこの段階で髪全体に手ぐしを通すようにしている。
そしてこの作業。チリチリにしか分からない重要な意味も持っているのだ。
今私は「ロンゲカーリー」というロックな頭になっているのだが、やってみて知ったこと。
毛玉ができる(笑)
毛玉だ。
長毛種の動物を飼っている人ならお馴染みであろう、まさにあれ。
こまめに洗髪のたびにほぐしておかないと、毛玉はどんどん増殖する。
ところがしばらく風呂にすら入らなかったのだ。念のため、カーリーは乾いた髪をとかすなんぞしない。そんなことをしたら神の怒りに触れたような頭になる。
そして今、手ぐしを通そうとしたら、全く手が動かないのだ。頭がひとつの大きな塊になっていたEE:AEB64
いや、ちょっと前から変な感じはあった。何か髪の毛がカツラみたいというか、固まってる感じ??
あんまり気にしてなかったが、そういうことかEE:AE5B1
言いたくないが、分かりやすい例えでいうと、ホームレスさんのゴワっとした頭、あれきっと毛玉が大きくなって固まってるね、手ぐし通らないよEE:AEB64
ものすご~~~~く時間をかけて、何とかほぐしていった。というか、もう千切っていった感じEE:AE5B1
私はこの髪型になったその日から、きちんと風呂に入ることを義務付けられたのだろう。
だらしない私が真っ当に生きるため、床屋さんが涙を飲んでそのように仕向けたのである。
病み上がりの風呂は、結構疲れるものだ。
この夜も私は、大人しく寝たのであった。