人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

地元という確率

「オワタ」。

ダンナからLINEが入ったのは、午後6時。

いつも仕事が終わるとこのように、ひとこと「オワタ」とLINEが入る。

ここから家に着くだろう時間を予測して、晩ご飯の準備を進めるのが常であった。

しかし昨日は雨。駅まで車で迎えに行かなくてはならない。

その時私はお風呂から上がったばかりで、頭はズブ濡れ、プール上がりに着るようなタオル服。

急いで支度をしなくてはならないが、まぁ車で行って帰って来るだけだ。洒落込む必要はない。

ギリギリまでライブの課題曲のコピーをしていた。

駅で落ち合ったのは、7時頃だ。

早い。

前にもちょっと書いたが、ダンナの働く部署が変わってからと言うもの、帰宅時間が驚くほど早くなったのだ。まだ7時、という感覚である。

「ちょっと寄ってみる??」

近所のホームセンターが改装して、中に大型スーパーが入ったと話題になっていた。

行きたい!・・・けど、この格好。人に会う前提になっていない。知り合いどころか、他人の前に出るのもちょっと恥ずかしい。

「こんなんだけど、恥ずかしくない??」

「別にいーんじゃねー?」

ま、別にいーか。

他人なら、どんなに恥ずかしく見られようともその場限りである。

私達は、そのホームセンターへ向かった。

閉店時間も近いのに、結構な賑わいである。

「これは・・・。知り合いがいてもおかしくない状況EE:AEABF

地元である。

思っていたより、その確率は高かった・・・・・・。

「あEE:AEB30」と言ってダンナが立ち止まったのは、まさにそのスーパーの入り口。

恐る恐るその先を見ると、バンド仲間夫婦であった。

バンド仲間夫婦ゆーてもたくさんいますが、あんまり会わない夫婦の方、こんな格好見られたことない方の夫婦ねEE:AEB64

とっさに顔を隠して挨拶したが、他にも隠すべきところが多過ぎて、パニックである。

優先したのはやはり顔だ。他は投げた。笑ってくれ。

よりによって、そのダンナは毒舌ギタリストだ。「すげー恰好してるな!」と言って笑っていた。

やっぱそう?そうだよねEE:AEB64

その時の私のスタイルは、洗って乾かしただけの髪(チリチリ)、スッピン(眉毛半分)、ニューヨークヤンキーズのTシャツ、切って短パンにしたジーンズ、素足にドリフシューズ、ノーブラ、イチゴのワンポイントの手提げEE:AE4D4であった。

バンド仲間である。

私はロックだったはずだ。

「じゃ、じゃ、もう行くから。」

逃げるように奥に入って行ったのであった・・・。