人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

断ち、捨て、離れよ!

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来週、お客様が来ることになったので、計画的に片づけをすることにしたのだ。

彼らが来るまでの期間、火曜日はリビング、水曜日は床拭き、木曜日は冷蔵庫、という具合に手帳に書き込んだ。この通りにやれば、人を呼べる部屋になるはずである。時々来てもらった方がいいかもしれんEE:AE5B1

昨日のノルマは「階段」であった。

階段には長いこと、ふたつのダンボールが置きっぱなしになっており、そこにどんどんものを置いていくのでついには山のようになっていたのだ。

いつか、いつか、と思いつつ今日まで来てしまった。

そうなのだ、人でも来ないといつかも来ないのである。

そもそもこの箱は、不要なのに捨てられないものを入れるためのものであった。ある程度まとまったら、バザーにでも寄付しようと思っていたのだ。

階段を踏み外して足を捻挫した時に、速やかにどかそうとあれほど思ったのにやらなかった理由は至極簡単、他に置く場所がなかったからである。かくしてここが定位置になってしまった。

これをどかすには、新たな置き場所を確保しなくてはならない。

そんな場所はないから、こんなことになっていたのである。

なので何かを移動、または処分して場所をあけるしかない。

そこで思いついたのは、寝室のベッドの足元であった。

そこには雑誌が重ねて置いてあった。

地球旅行、97冊。

去年の断捨離で一度は「捨て群」に振り分けられたのだが、ギリギリのところで命拾いしたものである。

1冊ずつ読んでいく、私はこれから毎晩世界中へと旅に出る、と言ったはずだが、結局今日までに読んだのは、たったの1冊であった。

これはもう、完全な「捨て群」だ。

時間経過もあり、私の熱もすっかり冷めていた。

こんなものなのである。なきゃないで困りも惜しくもないのだ。

サッサと縛って外のゴミ箱に出してしまおう。この97冊を何度かに分けてリビングに下ろすことにした。

足元の雑誌の山から、数十冊を引っ張り上げる。

表紙が見える。

ニュージーランドの回であった。

おおEE:AEAAB新婚旅行で行った国である。

手にとってみる。

ニュージーランドは小さな国だ。見所もその分限られている。私達が立ち寄った町は、たくさん載っていた。

ああここEE:AE482私達が泊まったホテルじゃんEE:AEB30

うわー、これは捨てられないね、ダンナにも見せなきゃ。

ニュージーランドの1冊を抜く。

どうせなら、行ったことのある国だけとっておこうかな?

リビングに移動した後そう思い立ち、96冊になった雑誌の中から行ったことのある国だけ取り出してみた。

ニュージーランドはたったの1冊だったのに、イタリアとフランスがバカに多い。

メジャーどころの綺麗な国だからねぇ。

結局抜き出したものだけでも、20数冊になってしまった。ま、いっか。アルバムだと思えば。

もう難しいことを考えるのはやめよう。決心がにぶる。

いよいよ紐で縛ろうと思ったその時、一番上にあったのは中東の回であった。

中東。微妙。見所なんてあるのか。手に取ってみる。

ヤバい、なにこれEE:AEB30シェイク・ロトフォラーモスクEE:AEB30

う、美しい、美し過ぎる、これは手放せない(即決)、もう止めた、捨てられる国なんてある訳ないじゃないか、全部保存だ、永久保存。

遺跡、城、広場、バザール。海外の佇まいというものは、童話の世界のような魅力がある。

そして文章を読めば、その町の様子、暮らしぶりなどが分かり、小説でも読むような気分でカルチャーショックを受けたりするのだろう。

こんなすごい本、捨てられない。

かくしてまた、「地球時間」の首が繋がった。

階段のダンボール箱を置く場所はどうなる?

ノルマを果たせなかった。