人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

『ダメ』という複雑な感情

そろそろやるか・・・。

このところ、庭に出るのは2、3ヶ月に1度にまで落ちていた。

なぜならそこには蜂がいたり、枯れかかった花があったりするからである。

最後に出たのはいつだっただろうか。

もう植木の面倒を見るのが文字通り面倒になり、切り倒すことにしたのだった。

その下準備として、細い枝を切れるったけ切っておいた、それが最後だ。

つまり次は、のこぎりで切り落とす作業である。

寒かったり雨が降ったり二日酔いだったりして延ばしているうちにすっかり忘れていた。このままでは冬に入ってしまう。

そろそろ蜂もいなくなる頃じゃないか?

急に思い立って、天気のいい午後、庭に出てみたのだ。

まずは蜂の巣の確認だ。あいつがいるのといないのとでは、やるべきことが全然変わってしまうのだ。

近づかないようにひょいっと覗き込んだその手前に、げえええええっ!!

もうマジやめてくんないかなぁもーEE:AE474

カマキリだ、巨大。しかも茶色くて、長老感のあるやつ。

この時私は知った。

この頃はどんな生き物、それが昆虫であっても愛おしく感じるようになってきたと思っていたが、カマキリはダメだ、あと足の長い蜘蛛とでかい蛾。これだけはダメだ。絶対ダメ、もうほんっとうにダメ。

こんなものが突然横の壁に現れたので、私は卒倒するほどに驚いた。

以前ダンナが仕事帰りに自転車をこいでいたら、目の前のカゴからひょっこりカマキリが現れて、睨み合いながら家まで帰ってきたという話を聞いたことがあるが、眩暈がする。

なぜこんなに嫌なのだろう。

あのカマ。

まず凶器を持っているということで、本能的にこちらは守りに入ってしまう。

あのツラ。

逆三角形の2点に目玉。

これが正三角形だったら、まだマシだっただろう。

あのポーズ。

何度も書いているが、私はオバケが怖い。

あのポーズはまさに「オバケだぞ~~~。」のポーズである。

これだけ揃っていれば十分だ。

蛾と蜘蛛についてはそのうち考察する。

ところで先ほど書いた「蜂」は平気なのかというと、平気じゃない。

ただ、違うのだ、「怖い」というのと「ダメ」というのは。

怖いというのは文字通り怖いだけだが、「ダメ」の中には「怖い」、「気持ち悪い」、などの感情が含まれており、そのそれぞれがまた細かな感情に枝分かれしているという複雑な思いなのである。

ということで私は早々に部屋に引き返したくなったが、こうなるともう次はいつになるか分からない。反対側のほうもパトロールだけしておくことにした。

そういえばちょっと前に、パクチーの根っこを植えたんだった。あれ、どうなったかな?

・・・もはやどれがパクチーだか。

というか、肝心なパクチーは見当たらないのでは。

ほったらかしの植木鉢は、どれもこのような状態になっていた。

バラは綺麗にたくさん咲いていた。

フォエバーローズという種類のミニバラで、地植えにした途端に元気になったやつだ。

安心していたが、著しく成長したその枝の何本かは、葉がスカスカになっていた。

そして良く見ると、黒く点々とフンのようなものが・・・。

あぁここにも命の息吹を感じる、そいつは毛むくじゃらかツルツルか、恐らく細長くて足がいっぱいついてるよ・・・。

そしてまたひとつ気づく。

毛虫、青虫も「ダメ」だ。

庭がまた遠くなった。