しばらく涼しい日が続いたからか、体調が良くなってきた。というか、体調不良からの復帰がしやすくなってきた気がする。
投げてたまっていた家事に、少しずつとりかかる。
断捨離を決行しようとしていたところだったのだ。
本も買い、自ら洗脳されようと少しずつ読んでいたのだが、体調不良により全てがメチャクチャになってしまった。
こちらも少しずつ進めていきたい。
・・・というところでまずは邪魔なものを片付けるか捨てるかである。
あからさまに邪魔なものは、玄関から階段にかけて置きっぱなしになっていた。
シンセ、バザー行きのダンボール、クーラーバッグ、洗濯物、猫のトイレの砂、トマトジュースのダンボール。
どれも捨てられんEE:AE5B1
捨てられんから置きっぱなしなのである。
そう考えると、この家の中にいらないものなどある気がしない。
かといって、ここを定位置にする訳にはいかない。まずはしまえるものから片付けよう。猫の砂。
ダンボールから砂の袋を出し、脱衣室の収納に移す。
重い。だから先延ばしにしていたのだ。
これと洗濯物だけしまって、もう動かせるものはなくなってしまった。
強いて言えばクーラーバッグが動かせるが、しまうべき決まった場所がない。
ちょいちょい使うので、音楽室に出しっぱなしだったのである。
ええい、まだちょいちょい使いそうだから階段に置いておこう。
トマトジュース。
安いのでドンキで箱買いしているのだが、これもどこかに場所を決めないと、永久に玄関である。
どこかいいスペースはないかと考え、ちょうどいい場所を見つけたのだ。
使っていないパソコンデスクの下に、全然動きのない謎の収納ケースがある。
あれを片付けてしまえば、入りそうであった。
細長い収納ケースがふたつ。
埃だらけのそれを引っ張り出してみると、ひとつには古い郵便物が少しばかり入っていた。
もう時効だ。
必要なものを除いて、捨てる。おお、断捨離感。違う。ただの片付け。
もうひとつのケースには、スプレー缶が2本。ゴキジェットと猫のしつけスプレー。
ゴキジェットはすぐ隣の収納棚に入れてしまった。これにより、楽譜を出すためにはいちいちゴキジェットをどかさなくてはならない。
反断捨離的行為だが、致し方ない、まだスペースがないのである。
ゴキジェットにかかずっている暇はないのだ、今はトマトジュースのターン。
それにしてもこの「隣の収納棚」は、良く見ると断捨離の宝庫のように見える。
なんか気が重くなってきた。
猫のしつけスプレーは、全く効果がなかったので由緒正しい「捨て群」だ。
しかし効果がなかっただけに、まだたっぷり残っている。
東村山は、スプレー空にしないと出せないんだよねEE:AE5B1
あぁ、気が重い。あとあとっEE:AE5B1
スプレー缶を出してしまうと、ケースには小さな袋が少しばかり残された。
これね、ここ見るたびに同じ気持ちになっていた。「洗剤イヤ子さん」だ。
ずいぶんずいぶんずいぶん昔に、何か飲み物を買ったときにつけてもらった試供品である。
紙でふき取るクリーナーだ。洗剤を使わなくてもこれで拭けばきれいになりますよ、ということらしい。
この時の売り子さんが、「もう残っても仕方ないので」と言ってたくさんくれたのである。
しかし「洗剤イヤ子さん」を使うという習慣がないので、すぐにその存在を忘れてしまう。
こうして何かの機会に(多くはゴキジェットだ)目にするたびに、イヤイヤ使って消費している状態であった。ある意味、間違いなくイヤ子さんだ。
これは断捨地的観点からいうと、「捨てる群」になるだろう。
「いつか」、「もったない」という物は、残してはいけないのである。実際これだけの時間が経っても消費の見通しすらついていない。
迷うな。
ここで迷ったら、断捨離など断行できないぞ。
たかだか洗剤イヤ子でためらっていては、誰も見ないビデオテープや食玩(えっ!?捨てるの!?)までたどり着けぬ。
さしあたって私は中から一枚取り出し、鏡を拭いてみた。ピカピカになった。そればかりかイヤ子にほとんどダメージがない。
まだまだ使えるかEE:AE5B1いっそティッシュみたいにバンバン使えるほうが良かったのだが。
ゲーム機やリモコンを拭く。電子レンジも拭いた。コーヒーメーカーも拭いた。
まだもうちょっと使おうと思えば使えたが、疲れたのでその辺で捨てた。
そう、疲れるのである。
確かにきれいにはなるが、力を入れて時間をかけてこすらなくてはならず、これなら洗剤のほうが楽だ。
イヤ子の袋を手に取る。
断て。捨てろ。離せ。
う~~~~~~~ん、それでももったいない、何だか「洗剤イヤ子さん☆」の能天気な文字が哀れだ。
今捨てられようとしているのに、今、使われぬまま捨てられようとしているのに、「イヤ子さん☆」と言って愛嬌を振りまいているのである。
結局イヤ子さん☆は、洗剤を収納してあるスペースに移動させた。
ただしその存在を忘れないように、一枚だけ出して常に鏡のそばに置いておくことにした。
私には断捨離は向かないのではなかろうか。
まだ本も読み終わっていないが、もしかしたらこれが一番必要ないものだったりするのかもしれない。