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14時30分~15時:洗面台。
今日のお掃除スケジュールのひとつだ。
風呂場に続く脱衣室の洗面台のことだが、しばらくほったらかしていたので、鏡に歯磨き粉が飛び散ったりして汚れていた。
その横の棚も、物が増えて乱雑に置いてある状態である。
これらをちょいと片付けて・・・、30分もあれば充分だろう。
クレンザーでまず流しを磨き、鏡をスプレーして拭き取る。5分だ。
あとはこのゴチャゴチャしたものの中から使わないものを捨てて、整理する。
多いから散らかるのだ。
そして、こんなに全部を使っているはずもない。
「いつか」はないのだ、使いかけでも動きがないものは捨ててやる。
もともと私はケチな人間だが、やっと気づいてきたのであった。
心を鬼にする。
どうせこうなる運命だと思っていた・・・、というものがあった。
スプレーだ。
デオドラントスプレーとでもいうのか??汗をかいたらシューッとするヤツだ。2本。
1本は、まだ仕事をしていた時に会社で使っていたもので、今となっては全く使う予定がない。
もう1本はダンナのもので、汗をかいてかぶれるから何とかしたいというので買ったもの。多分もう、忘れている。
それでも無理して使えば使えないことはないので、もったいないからとっておいたのである。
とにかくいちいちシューッとしていれば、いつかは使い切るだろうと。
そんな習慣、身につかないっつのEE:AEB64
目的があって、行動がついてくるのだ。意味もなく自分にスプレーを向ける習慣など、どこにあるか。
よって忘れられ、思い出してもどうしようもできず、むしろ意識的に忘れるようにしていたフシすらあった。
捨てればいいだけなのだが、それができないにはちょっとした理由があったのだ。
スプレー缶である。
我が東村山市では、「使い切ってからガスを抜かずに空き缶と一緒に捨てる」ということになっている。
ガス抜きをしなくていい分、ひと手間ラクなのだが、「使い切る」というのがクセモノだ。
使わないのに、使い切る。
そんなアホらしいことをしなくてはならないのであった。
しかし、使わないものを使うものの中に置いておくことは、もっとアホらしい。
いつかはやらなくてはならなかったのだ。
アホらしいが、簡単な作業である。ボタン押すだけ。
私は2本のスプレーを持って、窓を開け、庭に向かってしゃがんでその1本のボタンを押した。
シュー。
シューーーーーーー。
シューーーーーーーーーーー。
そもそもは、一度に2、3プッシュするだけのものである。
それを押し続けるというだけで、こんなに力が必要なのか。
シューーーー。
しかも長いEE:AEB64どんだけ入ってんのよ、使いかけなのに。
シューーーー。
一度に2、3プッシュ程度にしか使わないことを考えると、これは相当長く使える製品である。
シューーーーー。
それを、こんなに無駄にしている阿呆がいる。
シューーーーーー。
暇だ。
簡単な作業だが、チョー暇である。
そういった意味では、難易度の高い仕事でもある。
シューーー、スーーーー。
おEE:AEAA6EE:AEAAB音が変わってきた。奴め、いよいよか。
スーーーーー。
それから変化がないので、「中身がなくなり、ガスが残っている状態」と判断してこれは終わりにした。
フー。何だか疲れた。次。エイトフォー。
しゅううううう・・・・。
ん??
なんかこっち元気ないねEE:AE5B1中身はたっぷり入ってるみたいだけど・・・。
しゅううううううう・・・。
こっちの方が古いからなぁ。やっぱ若いモンの方が元気がいいわ。
しゅううううう・・・。
つまり、こっちの方が勢いがないってことで、こっちの方が時間がかかるということかEE:AE4E6
暇だ。
しゅうううううう、パキEE:AE53E
うわっ、なに!?
ボタンを押さえていた指が、音と同時に一段深く押し込まれた。
なに、今のEE:AEB64
缶をしげしげと見てみたが、目に入った「高圧ガス」という言葉が途端に恐ろしい響きを持つ。
しかし、やめる訳にはいかないのだ。それが東村山のルールなのである。
しゅううううう・・・。
心持ち遠くに手を伸ばし、顔を背けてボタンを押し続ける。
しかし長いねEE:AE5B1
手が冷たくなってきた。・・・と言うか、この缶、すっごく冷たくねー!?
それを確かめるために先程のギャツビーの缶を持ってみたが、ほらやっぱりEE:AE5B1
何でか知らないけど、缶がものすごく冷たくなっているのだ。
高圧ガス。
もしかしたら私は、とても危険なことをしているのかもしれない。
もっと慎重にいけよ、阿呆。一気に噴き過ぎたんとちゃうか。
少し休もう。私もガスも。
そのまま忘れてしまったのだが、雨戸を閉めようと思ってそこに行った時に、思い出したのだ。
もうなんか忌々しいのEE:AEACE
やらなきゃ終わらない、終わらなきゃ捨てられない、捨てられなきゃ散らかるのである。
再び窓を開けて、スプレーのボタンを押した。
しゅ う う う う う う ・・・・・・。。
なんか・・・、さっきよりやる気抜けてますね、エイトフォー。
もしかしてもう終わりは近いのかと思い、缶を振ってみたが、まだまだたっぷり入っているような重さであった。
しかしやがて、
しゅうう・・・。
といっては止まり、振ると、しゅうう・・・。といっては止まり、を繰り返すようになった。
振って噴いて、振って噴いて、振って噴いて・・・。
あぁもう、なんで終わらないかなEE:AE4E5
振るたびに缶は冷えていくし、私こういうの嫌いよホントEE:AEB64
やがて先程のギャツビーのように、振ってもスーという音しか出ないようになった。
終わった。
やっと終わった。
シューシューしている間に思い出したが、過去に娘ぶー子のVO5で同じことをやったことがあった。
もうスプレーなんか買うものか。買わせもしない。ノーモア缶運動だ。缶反対。絶缶。
洗面台に戻ると、スプレー2本分のスペースができていた。
しかしその下には、先日髪を切った時に買ったばかりのヘアスプレーが鎮座していたのであった・・・・・・・。