昔好きで何度も読んだ絵本である。全く内容は覚えていなかったが。
とにかく小さな「ぴっち」が可愛くて可愛くて、大好きだったのだ。
キャラクターグッズを時々見かけるが、欲しいの~~EE:AE5AF
リゼットおばあさんの家にはたくさんの動物がいる。
猫のルリとマリの間には5匹の子猫がいて、みんないたずら盛りだ。
しかし一番ちいさなピッチだけは、他の子達のように遊ばない。
ピッチは周りにいるにわとりやヤギ達といる方が楽しいのである。
ある時、ウサギたちと遊んでいて、一緒に彼らの小屋に帰ってしまったピッチ。
世は更ける。
怖い獣が真っ暗な小屋に近づいてくる。
にゃーんにゃーん、ここにいるよー、と叫ぶピッチに助けは来るのか??
もうとにかく、ピッチ(本文では名前は全部平仮名だったが、読みにくいのでここではカタカナにした)が可愛いEE:AE478絵がとても魅力的である。
一見雑な落書きのようで、動物の魅力をよく掴んでいる。
飼い主のおばあさんも、一緒に暮らす動物たちもみんなピッチに優しく、その目線が心地良い。
私が好きな場面は、凍えそうになっているピッチをおばあさんが介抱するところ。
おばあさん、泣きながらピッチを布でグルグル巻きにくるむのである。
現実にはあり得ないが、小さなピッチがグルグル巻きになっている姿がなんとも可愛らしい。
そばには大きな安全ピンまで見える。そんなところまでいちいち可愛いのである。
ピッチは人間の大きなベッドに寝かされ、そこにたくさんの動物がお見舞いに来る。
みんなピッチを囲んで泣いている。
なんて心暖まる絵本なのだろう。
ストーリーは至極単純だが、ハート、わしづかみである。
「こねこのぴっち」
文・絵・ハンスフィッシャー 訳・石井桃子
岩波書店