実家の母に会った時にたまたま持っていた本で、「面白かったから読めば?」と言われて借りてあったのだ。
苦手な推理小説である。
私はノンフィクションや自伝やルポなど現実的なものを好んで読むので、このような「ドフィクション」はあまり読まないのである。
頭使うのもタルいし。
そんなんであまり気が進まず、ほったらかしてあったのだ。
このままでは返せないので、読むことにしたのだった。
ケガで休職中の刑事・本間のもとに、遠い親戚の和也が急に訪ねてきた。
それほど付き合いのある間柄でもなかったのだが、彼が尋ねてきたのには理由があった。
失踪した婚約者を探しと欲しいと言うのである。
聞いてみると、おかしな話である。
婚約者は過去に多額の借金をしており、自己破産をしていたことを和也に隠していた。
しかし、それだけが消える理由になるのか?
始めのうちは仕事として和也から経費をもらっていた本間だが、やがて自分自身がこの謎を解きたくなり、和也の手を離れて自力で謎を解いていく。
この婚約者は一体何者なんだ?
和也の知っている彼女は、本当の「彼女」ではない・・・。
これは「推理小説が苦手」な私の感想であり、かなり意地悪な感想になるが、しんどかった(笑)
感情移入ができないので、読むのに根性がいるのである。
「先が知りたい」という気持ちにならないので、過酷な道のりであった。
しかし、いくら苦手とは言っても、楽しく読んだ推理小説だって過去にあるにはある。
なにがダメだったのか考えたが、文章が優等生でむずがゆく、10年前のNHKのドラマのような感じとでもいうか。
そのくせたまに洒落た言い回しをするのでそこが更にむずがゆい。
テンポも、良く言えばゆったり、悪く言えばダルく、グイグイ引っ張っていく感じがない。
自分で選んで読んだのではないだけに、引っ張っていってもらえないのは辛かった。
しかし、謎があり、それが解けていく、という過程はやはり面白い。
スッキリはしたが、あれだけ長いものを読んだ割には終わった時の充実感がなかった。
こんな感想で申し訳ないのだが、好みの問題だろう。
結構売れたみたいだから、推理小説が好きな人ならハマるかも。
ぽ子のオススメ度 ★★☆☆☆
「火車」 宮部みゆき
新潮文庫 ¥900