人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

月曜日の宿題

そしてまた月曜日がやって来た。

例によってダルダルのダルなので、全く起きる気がしない。

もう月曜日はそういう日なのだと開き直って存分にダルダルしているが、今週はそうもいかないのであった。

あぁもう、昨日の夜からそのことで頭が痛かった。

宅急便、である。

先週末に猫のご飯がなくなってしまった。

うちの3猫が食べているのはストルバイト向け、つまり、オシッコに結晶ができないような療養食であり、そのへんの薬局やスーパーなんかでは買えないのである。

大型ペットショップなら売っているところもあるが、近所のコジマはいつも駐車場が一杯で待たされるので、ネットで買っている。

「多分月曜日にくるから、ヨロシク。」

ダンナはそう言った。

正確には「月曜日の午前中」である。

私は午後になると仕事に出てしまうので、彼はいつも午前を指定して注文しているのだ。

よりによって月曜の午前とは。

まぁ仮にスルーしても不在票が入るだけの話だ、そうしたら自分の好きな時間に指定すればいいのだが、今朝になってダンナはさらにこう言った。

「もうご飯なくなっちゃったから。」

正確には「だから必ず午前中に受け取ってくれ」である。

「月曜のぽ子」という特別な時期を意識して、彼は時々このように言葉を端折る事がある。

簡単に言うと、恐ろしいのだろう。

その通り。

そのまま言われたら私はショックでブチ切れていたかもしれない。

月曜日の午前中に、宅急便を受け取ること。

これが私の宿題となった。

しかし、少々問題があった。

まず「午前中」との事だが、宅急便は早ければ9時に来る事がある。

しかし午前中とは12時までの3時間を指す。

その3時間、宅急便の来訪を絶対に逃がしてはいけないのだ。

そして私は風呂に入りたかった。

昨日は休日で時間があるにもかかわらず、面倒臭くて入らなかったのだ。

何が何でも入りたい。

しかし、宅急便はいつ来るのかが分からない。

そうなると、9時までに風呂から出ていなくてはならないのである。

月曜に午前9時までに。

まずはいつも通り6時半に起きて、ダンナに朝ご飯を出した。

果たして月曜6時半の朝ご飯とは、ししゃもである。

それを出すとすぐに布団に戻る。

その速さはダンナが思わず「具合悪いの?」と見に来るほどであったが、今日はまともな二度寝ができないのである。少しでも寝たいのだ。

次は8時半の娘ぶー子のご飯だが、8時15分に目覚ましが鳴ると、珍しく先にぶー子が起きている気配がする。

のっそり起き出してリビングに向かうと、「朝ご飯、もういらないから!!」とどこからか声がした。

あれ?まだ後15分あるけど・・・。

「もう時間ない、食べた。」

どうも予定と違うようだが、ラッキー。

間に合わないんじゃしょうがない、それじゃお言葉に甘えて・・・。

今度はソファで目を閉じる。

しかし、早く風呂に入らなくてはならない。

追い炊きにするともう間に合わない。

仕方なく寝ぼけ眼で風呂を洗い、湯張りした。こうすれば約10分。

スイッチひとつで、5分前にアナウンスが入る。

それを目覚ましに、ソファで眠る。

風呂に入ったのは8時50分だ。

裸で対応するような恥はごめんなので、急いで入って急いで出た。

そして今度は安心してリビングのソファで眠るのであった。

果たして宅急便が来たのは、11時だ。

猫のご飯の大袋が二つ入ったダンボールは重く、ドンと床に置くとすぐに開けて取り出すことにした。

テープをはがしてダンボールの上部を開けると、ヒルズc/dの大袋が二つ、ピッチリと隙間なく入っている。

そして良く見ると、何か小さい袋が上に乗っていた。

「???」

それをつまみあげると、なかには3センチほどの小さなネズミのおもちゃが入っていたのだった。

おもちゃというと、何か仕掛けがあって動いたりしそうなニュアンスだが、ただのネズミである。

以前私は猫のおもちゃについて記事にした事があるが、「音」「動き」「形」が優れていることが、猫に喜ばれるおもちゃの条件だと思っていると書いた。

形については判断のしようがないが、少なくともそのうち2つは満たしてない。

正直、私は驚いた。

こんなもので猫がじゃれると思っているのか。

それをあたかも「おまけ」としてよこして恩を売ろうなんて、ふてぇ野郎だ。

私はそのネズミをポンと投げた。

くそ、ネズミ。ゴミにするには捨てにくいヴィジュアルである。

ところが驚いた事に、ラがそのネズミの臭いを嗅いだかと思うと、手でサッカーを始めたのである。

動かないネズミを、手動で動かして遊んでいる。

それを見ていたミも「これはたまらん」とばかりに隙をみて突進、2匹でネズミをいたぶり始めたのである。

私は呆気に取られてそれを見ていた。

こんなもんでいいのか。

こんな感じのネズミが5、6匹入ったのを、100円で売っているのを見たことがある。

可愛かったのでマスコットとしてはいいかと思ったのは覚えているが、まさか本当に猫が遊ぶとは思わなかった。

しかし小さいが故に、あっという間にどこかに行ってしまった。

ものの5分である。

あぁ、だから5、6匹まとめて売っていたのか?(笑)

これは、我が家の3猫のうち2匹に起こった現象であり、どの猫も同じ反応を示すとは限りません。

ご購入は慎重に。