今日は娘ぶー子の学校が早出の日、5時半起きである。
そして今日こそ、迫り来る九州、つまりダンナの両親のために、部屋を片付けなくてはならない日でもあった。
昨夜はボジョレー解禁でそれも危ぶまれたが、しっかり意識を持ったまま深夜12時半、ネトゲからログアウトしようとしていた。
その時・・・。
「何か回ります??」
すれ違いの法則である。
落ちようと思うと出会ってしまう、ネトゲ上でたびたび起こる現象だ。
ちなみに「回ります?」というのは、「一緒にモンスターをひとハントしましょうか?」という意味である。
相手は最近私達の仲間になったばかりの人である。
熟練ハンターの彼が、いまだ初心者と代わり映えのしない私に、声をかけてくれたのだ。
ありがたき光栄。
しかし、私には明日がある。正確には「今日」になっていたが。
「じゃあ、シメにひとつ、お願いします!」
まぁ1クエストせいぜい15分だ。
こういう交流があるからこそ、ネットゲームが楽しいのである。
私は、自分では倒せない敵のところに、同行をお願いした。
「すみません!もう1回お願いします!!」
「リベンジ、行かせてください!!」
「時間大丈夫ですか?」
「ちくしょー、もう1回!!」
しかし、どうしても倒せずムキになってしまったのは彼の方であった。
彼の名誉のために言うが、彼が弱いのではない。
私が全く役に立たないので、ほとんど彼のソロクエスト状態になっていたのだ。
「・・・すみません、もう明日があるので限界です・・・。」と言ったのは2時半。
それから皿を洗ったり朝御飯を作ったりしたので寝たのは3時、2時間半睡眠である。
あまりに眠いので、朝御飯を出したらダンナが起きるまでの数十分を寝ることにしたのだが、やっとウトウトしてきたところでぶー子が寝室に現れた。
「ごめんー。今日一限、ないんだっった。」
なに!?
起き損か!!
しかも何でこの貴重な数十分にわざわざ言いに来るんだよEE:AE4E5
「だから、おとんの朝御飯、私が出しておくよー。」
お?ラッキー。いや違うか。あ?どっちだ??
まぁとりあえず、それによって再び眠りに入ることができたが、何か、やらなきゃならない事がいっぱいあったような・・・。
そうだった、明日着て行くからと、頼まれていたのだ。
く~~。
それでもギリギリの10時半まで寝ていた。
洗濯が終わってもまだまだ眠い。
ソファで目を閉じると、あっという間にあっちの世界に引っ張られる。
その時、電話が鳴った。
インターホン同様、こちらの音もバカでかい。
ああうるさい、と受話器を上げると、相手は保険屋だった。
もう考えるよりも早く、「すみません、今ちょっと手がふさがってまして!!」とまくし立てた。
受話器取ったんだからふさがっちゃいないのだが、圧倒されて「は、は、はい、お忙しいところ、申し訳ありません」と、すぐに撃退された。
じゃあもっと寝るか。
しかしだ。
今起きれば1時間、掃除ができる。
明日は九州が来るぞ。
窓枠にカビ生えてたぞ。
インターホンに蜘蛛の巣、張ってたぞ。
あぁ今の電話、神の使いだ。
昨日とおとといは表具屋の格好した使いが来たのだ。
そうなのだ。
こうして神は時々、私にチャンスをくれるのだった。
あとで後悔しないで済むように、起こしに来てくれたのだ。
デッドラインが近いので、昨日よりはハキハキ動いたぽ子である。
しかし、まともな部屋には、まだ程遠い。