ぽ子ファミリーは、音楽がとても好きだ。
みんなジャンルに偏らず、広く浅く聴いている。
現在家にあるコンポは3台だが、2台は瀕死、まともに動いているのはダイニングにある一番新しいものだけである。
どういう訳かコンポという物は、すぐに故障する。
それも、保障期間が過ぎてからだ。
しっかりしたものが欲しいからそこそこ金をかけているのに、CDが音飛びするようになり、MDが録音できなくなり、トレイが動かなくなり・・・。
しかし瀕死の2台は故障箇所が違うので、補い合ってきた。
全て直せば高くつく。
そうして騙し騙し使っているうちに故障箇所は増えていき、いっそ買ったほうが安いんじゃないか、となる。
私は音楽は好きだがオーディオには疎いので、ダンナが吟味して選んでくる。
1台目はカセットも聴けるもの、2台目はMD同士のダビングができるもの、まぁもうどちらの機能も死んでいるが、3台目はレコードをデジタル録音できるものを選び出した。
ぽ子は、カセット・レコード世代である。
コンポを買い換えて、アナログものが聴けなくならないようにしているのだ。
しかし実際、どれほどアナログを聴いただろうか。
買い換える度に操作が難しくなり、結局ダビングはダンナ任せで繰り返し決まったものを聴いている。
ぽ子の新曲は、死んでいる。
最後に録ったのは、グウェン・ステファニーのレイヨロレイヨロロ~あたりか。
カラオケでは昔の新曲を繰り返し歌っている。
いつからこんなになってしまったのか?音楽好きじゃなかったのか?
「Domestic」と名付けて長年録ってきたJポップのマイベストのダビングも、数年前から途絶えている。
昔は特別に努力などしなくても、色んな曲が耳に入り、「この曲欲しい」という意欲が沸いたものだ。
歳を取るという事は、今まで簡単にできた事に努力を要するようになるという事なのか。
「今日の1曲」というカテゴリーを作っているが、それをUPする度に思う。
死んでいる。
途絶えている。
しかし、新曲はどこからやってくるのか?
コンポの電源を入れる。
アルバムタイトルを選ぶ。
飽きた。
聴きたくない。
わからない。
ところが先日、新しい発見があった。
しばらくコンポには触れないでいたところ、誰かが設定を変えていたらしく、「朝のおすすめ」という文字が出た。
そんなCDあったか?とそのままにしていたところ、なんとコンポ本体に入っている全ての曲の中から、朝に相応しいナンバーを勝手に選んでかけてくれるのであった。
おすすめは朝だけではない。
昼になれば勝手に昼のおすすめに変わり、雨の日のおすすめ、晴れの日のおすすめ、パーティの、季節の、走る時の、仕事をする時の、エレクトロニック、インスト、あらゆるパターンのおすすめチャンネルがあった。
そこからはぶー子のファットボーイスリムが、ダンナのジョージ・ハリスンが、昔録ったDomesticからヤイコが、ファイナルファンタジーのBGMが、無節操に飛び出してくる。
予測不能で奇想天外。
同じアーティストを続けて聴くよりも、ずっとずっと面白い。
よっし、このコンポにもっと色んな曲を突っ込んでやる。
聴いてねぇCDはねがぁ~~~。
録り忘れたCDはねがぁ~~~。
久しぶりに音楽熱が高まっている。
とことん聴いていた昔に戻るように「努力」しようかと思う。